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■通訳/翻訳のお仕事発見! No.42 11/03 投稿紹介:通訳ロボットと翻訳文化
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□━2004/11/03 第0042号━━━━━━━━━━━━━━━━━━読者数12990部━□

◇◇通訳/翻訳のお仕事発見!◇◇
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▼「通訳ロボットと翻訳文化」平岩大樹(通訳翻訳館)

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■◇「通訳ロボットと翻訳文化」
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 通訳ロボットといえば映画『スターウォーズ』を思い出す。スターウォーズには、
さまざまなロボット(ドロイド)が登場する。医療ドロイド、警備ドロイド、パイロ
ットドロイド、給仕ドロイド、スパイドロイドなどなど。人間型ロボット(3PO)が
なぜ「通訳ロボット」なのか考えたことはあるだろうか。

 スターウォーズほど「言語」の重要性をみごとに表現してみせた作品はない。結論
からいえば、「言語」がとてつもなく重要になった。だからといって「英語を学べ」
などというつもりはない。むしろ、苦労して外国語など学ばなくていい。

 地球環境、新素材、ナノテクノロジー、バイオテクノロジー、いろいろと未来産業
を担う有力候補があがっているが、カギになるのは「言語」だ。新素材、ナノテクノ
ロジー、バイオテクノロジーの謎を解き明かすカギは「言語」のなかにある。飛躍的
な技術進歩を可能にする機会は「言語」が握っている。

 「言語」を支配する者が世界のすべてを動かす、そういう社会になる。なにも未来
の空想ばなしを語っているのではない。グローバル化した世界経済に国境はすでにな
い。あるのは「言語」の壁だけだ。「言語」を支配すれば、世界の力関係はすっかり
変わる。「言語」を支配すれば、強大なパワーを持つ。「言語」を支配すれば、古代
から現代にいたる人類の英知がすべて手に入る。

 通訳ロボットの「頭脳」を誰が開発し、誰がそれを支配するのか。真剣に議論され
ることはない、SFオタクの空想ばなしで片づけられている。幸運なことに、日本に
はその技術がいまある。どう使えばいいのか、どう役立てたらいいのか、まだ気づい
ていない。

 技術もまだある、人材もまだいる、カネもまだある。ないのは国家ビジョンと理念
だけだ。やれIT立国だ、観光立国だ、知財立国だ、環境立国だなどといっているが
、実現するための情熱、使命、理念がどれも欠如している。なぜなら、きたるべき社
会の国家ビジョンがないからだ。

 いったいどういう国を創るのか、これからの世界情勢のなかでどのようにして生き
残っていくのか、世界に対してどのような影響力をもつ国になるべきなのか、政府の
「国家戦略メモ」には書かれていない。IT、観光、知財、環境はどれもよりよい社
会を創るための「材料」だ。何を創るのか、どう料理するのか、それがわからなけれ
ば得意の「模倣」もできない。

 日本は翻訳超大国だ。翻訳に関して日本を超える国はどこにもない。歴史を紐解い
て古代イスラム帝国やルネサンス期のヨーロッパまで遡らなければ、まともに勝負で
きる国がない。日本には千年以上の歴史と文化を築きあげてきた「翻訳文化」がある
。日本は中華文明、西欧文明、アメリカ文明の優れたところだけを学び、自己改造と
自己改良にはげんできた。

 戦後の奇蹟的な経済成長を可能にしたのは、いうまでもなく「翻訳文化」があった
からだ。運もよかったし、根性のある経営者もいた。だが、運だけで経済大国を維持
することはできない。いまの日本があるのは「翻訳文化」のおかげだ。

 日本の強みとは何か。それは自己改造と自己改良ができるところにある。つまり「
翻訳文化」に力の源がある。日本文明史のなかで「モノづくり」が得意になったのは
、つい最近のことだ。製造業で「モノづくり」が得意になったのは、自己改造と自己
改良の結果に過ぎない。「翻訳文化」があったからこそ、製造業で「モノづくり」が
得意になったことを忘れている。

 日本の未来は「翻訳文化」に磨きをかけ、発展させることにある。その道具として
使うのが「通訳ロボット」だ。「モノづくり」が突出して得意になったため「ハコづ
くり」が先行しているが、「頭脳」になるのは「翻訳文化」だ。「ハコ」ばかりつく
って、「頭脳」を「IBM製」にするつもりなら日本に未来はない。

 あまり注目されないが、すでに通訳ロボットは実在する。2003年の年末に発表
されたNECの「パペロ」がそれだ。開発者には失礼だが、通訳ロボットが社会に与
える影響力を考えれば、まだ「おもちゃ」だ。マスメディアも「パペロ」を「おもち
ゃ」として扱っている。マスメディアは通訳ロボットがもつ潜在力、将来性、侵略性
にきずいていない。まさかその「おもちゃ」が新世界を支配するほどの力を秘めてい
るとは、だれも思ってもいない。

 通訳ロボットはまもなく「おもちゃ」ではなくなる。海外旅行で、国家間交渉で、
宇宙ステーションで、軍事兵器として使われるときがくる。通訳ロボットの「頭脳」
を握る者が新世界を支配する。「頭脳」を握る者が莫大な富を生み出す。マイクロソ
フトやインテルをみてみればいい。

 NECの「パペロ」をみれば、NECが「ハコづくり」に興味がないことがすぐわ
かる。NECはあきらかに「頭脳」を狙っている。「ハコづくり」が得意なのはホン
ダ、ソニー、トヨタだ。ロボットに挨拶をさせたり、踊らせたり、指揮をさせるのも
いいが、そんなことは人間がやればいい。

 スターウォーズに登場する「C−3PO」が600万を超える言語を操り、話者の
文化的特徴を踏まえて通訳ができることは知っているだろうか。600万の中には「
古代言語」や「暗号」も含まれている。「古代言語」を蘇らせ、力を与えることがで
きるのが「通訳ロボット」だ。日本企業が「ハコ」と「頭脳」の両方を押えたとき、
日本は強大な「パワー」を持つ。

 千年以上にわたる日本の「翻訳文化」の本質を理解し、「翻訳文化」を通訳ロボッ
トの「頭脳」にできる者は新世界を支配する。NECが先行しているのはたしかだが
、NECが「帝国」になれるかどうかはわからない。千年以上にわたる日本の「翻訳
文化」の本質を理解し、未来社会を創造する者だけがレースに参加できる。繰り返す
が、「言語」がとてつもなく重要になった。

(平岩大樹=通訳翻訳館)

[この記事は通訳翻訳館ウェブサイトにも掲載されています]

 ◇掲載記事
   http://www.ithouse.net/japanese/column/doc/20040320.htm

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