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通訳翻訳ビジネスレポート No.34 2004/07/16 投稿:日本文明の本質
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◆━2004/07/16 第0034号━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆

◇◇通訳翻訳ビジネスレポート◇◇
    http://www.ithouse.net/
◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆


◇目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

<投稿記事>
 ◆「日本文明の本質」平岩大樹(通訳翻訳館)

<書籍紹介>
 ◆『秘の思想』柳父章(著)
 ◆『アイデアのつくり方』ジェームス・W・ヤング(著) 今井茂雄(訳)
 ◆『実践的ゲリラマーケティング』ジェイ・C・レビンソン(著) 竹村健一(監訳)
 ◆『キャリアショック』高橋俊介(著)

<編集後記>
 ◆「体育館と選挙」平岩大樹(通訳翻訳館)

<投稿募集>
 ◆「あなたからの投稿を掲載します」


<= 投稿記事 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

■■………………………………………………………………………………………………
■◇「日本文明の本質」
■■………………………………………………………………………………………………

 ニセモノを「ホンモノ」であるかのように宣伝し、儲けようとする商人は昔からい
た。あの手、この手を使って、何も知らない素人を誘惑し、ニセモノを「ホンモノ」
であるかのように思い込ませる。

 マネごとを「ホンモノ」であるかのように宣伝し、儲けようとする商人も昔からい
る。あの手、この手を使って、何も知らない素人を誘いこみ、マネごとを「ホンモノ
」であるかのように思い込ませる。

 マネごとはマネごとだと自覚し、楽しむのは勝手だ。みてくれや、カッコのよさに
目が眩んで「幻想の世界」に浸っている勝手だ。相手はハッタリ、ごまかしのプロだ
。何も知らない素人をカモにして食っている。だから、その手口を見抜けないのも無
理はない。

 通訳、翻訳という営みを「語学」だと勘違いしている企業、個人は多い。勘違いし
ているだけならいいが、企業も個人も「語学の仕事」などといって軽くみてかかる。
「語学の仕事」などと思い込んでいるから、とんでもない誤解、錯覚、失敗、問題が
起こる。

 異文化、異文明の一番外側にある巨大な防御壁が「語」であって、巨大な防御壁そ
のものが異文化、異文明の正体ではない。異文化、異文明の中に入るには「語」を学
び、どこに扉があって、どうやって扉を開けるのかを理解しなければならない。

 英「語」だろうが、中国「語」だろうが、ギリシャ「語」だろうが、ヘブライ「語
」だろうが、何だろうが「語学」にできるのは異文化、異文明の中に入るための扉を
みつけ、その扉を開けることしかできない。

 通訳、翻訳という営みは、どんなに小さなことであっても日本文明の存亡に関わっ
てくる。日本文明は「会社」と置き換えてもいい。日本文明という化け物が、その生
存をかけて方向を変えたり、軌道修正したり、生き残るための「環境適応術」が通訳
であり翻訳である。

 しかも、翻訳と日本文明の権威は密接に結びついている。日本文明の権威は、古代
から現代まで、絶えることなく翻訳によってつくられている。千年ちかい日本の歴史
のなかで、翻訳は長いこと権威のため、権力者のため、支配者のために奉仕してきた


 翻訳が翻訳文化として受け継がれているのも、「つくられた権威」が絶えず必要に
なるからだ。「つくられた権威」は、時とともに権威ではなくなり、「形式」となっ
て文化に吸収される。日本文明は「つくられた権威」を再生産することで、どんな新
環境にも適応してきた。

 日本人の頭の中を支配している日本文明の正体をじっくりと見つめてみれば、「ア
メリカ化」など問題じゃない。「ハード・パワー」で攻められても、「ソフト・パワ
ー」で攻められても、日本文明の本体は「アメリカ化」しない。みれくれが「アメリ
カ化」しても、中身は変わらない。

 日本文明の胃袋は底なしだ。頭を冷やしてよく見てみれば、日本文明がアメリカ文
明を食っているのであって、アメリカ文明が日本文明を食っているんじゃない。中国
が超大国になれば、日本文明は中国を食いはじめる。日本文明は、おとなしくて、カ
ワイイ生き物じゃない。千年もの間、生き続ける化け物だ。

 日本文明が生きつづけているかぎり通訳、翻訳という営みは消滅しない。たとえ通
訳ロボットや機械翻訳に置き換わってもなくならない。千年の時をかけて日本文明が
つくりあげた「環境適応術」が、通訳であり翻訳である。新環境に応じて日本文明を
つくりかえる創造術が、通訳であり翻訳だ。日本文明の本質がここにある。

(平岩大樹=通訳翻訳館)


[この記事は通訳翻訳館ウェブサイトにも掲載されています]

 ◇掲載記事
  http://www.ithouse.net/japanese/column/doc/20040716.htm

 ◇いままでの記事一覧
  http://www.ithouse.net/japanese/column/box.htm


<= 書籍紹介 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

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■◇『秘の思想―日本文化のオモテとウラ』
■■………………………………………………………………………………………………

【著者】柳父 章
【出版社】法政大学出版局
【発刊年月】2002年11月25日
【本体価格】2625円 (税込)
【ページ数】230p
【ISBN】4588436058
【購入】http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4588436058/ithouse-22

──────────────────────────────────────
翻訳は、その未知、不可解を完全に既知、可解にするのではない。そういう場合もも
ちろんあるけれど、一般にはそうではなく、未知、不可解なままであることの方が多
い。とくに日本語での翻訳はそうだ。日本語における翻訳は、むしろ未知、不可解な
ままに翻訳の中に取り込むようにできている。日本語じたいがそのような構造を持っ
ている。
                           本文29pより抜粋
──────────────────────────────────────

 本書は日本文化とは何なのか、日本文化の本質はどこにあるのかを探ったもの。タ
テマエ・ホンネ、オモテ・ウラの思考構造がいつ、どこで生まれ、どのように日本人
の考え方を支配しているのか。千年の時をかけて生み出された日本文化の「秘」の正
体を明らかにしている。

 そもそも、日本文化とは外来文化のかたまりであって、翻訳文化であると著者はい
う。日本の文化構造には異文化の未知、不可解を閉じ込め、正体がわからないまま受
け入れるという「秘」の構造が存在しているのだと。

 「先進」舶来文化という先入観に支えられた異文化の「よく分からないありがたさ
」を解明するのではなく、その「よく分からないありがたさ」を活用して「権威」を
つくり、「秘仏」、「秘宝」、「秘伝」をつくってきたのが日本という国であり、日
本文化の正体であると指摘している。

 ◇そのほかのオススメ選書をみる
   http://www.ithouse.net/japanese/bookshop.htm


■■………………………………………………………………………………………………
■◇『アイデアのつくり方』
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【著者】ジェームス・W・ヤング
【翻訳】今井 茂雄
【出版社】ティビーエス・ブリタニカ
【発刊年月】1988年04月08日
【本体価格】816円 (税込)
【ページ数】102p
【ISBN】4484881047
【購入】http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4484881047/ithouse-22

──────────────────────────────────────
知っておくべき一番大切なことは、ある特定のアイデアがどこから探し出してくるか
ということではなく、すべてのアイデアが作りだされる方法に心を訓練する仕方であ
り、すべてのアイデアの源泉にある原理を把握する方法なのである。
                         本文27pより抜粋
──────────────────────────────────────

 著者はアメリカ大手広告代理店のJ・ウォルター・トンプソンでコピーライターか
ら同社の常任最高顧問にまでなった人でアメリカ広告代理業協会の会長やアメリカ広
告審議会の会長を歴任した筋金入りの広告マン。1973年に没した翌年にアドバタ
イジングホール・オブ・フェイム(広告の殿堂)入りした。

 本書は広告マンとして活躍してきた著者がアイデアを作り出す技術とは何か、その
原理原則を簡潔にまとめたもの。直感に頼ってただ待っているのではなく、アイデア
を意識的に作りだす方法を伝授してくれる。

 「解説」では自然科学者である故竹内均氏も著者の説くアイデアの作り方に賛同し
ており、広くビジネスやアイデアが必要とされる創造的活動にも応用できるものであ
ると解説している。

 ◇そのほかのオススメ選書をみる
   http://www.ithouse.net/japanese/bookshop.htm


■■………………………………………………………………………………………………
■◇『実践的ゲリラマーケティング―小企業のための成功する広告戦術』
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【著者】ジェイ・C・レビンソン
【監訳】竹村 健一
【出版社】東急エージェンシー
【発刊年月】1998年7月15日
【本体価格】2100円 (税込)
【ページ数】438p
【ISBN】4884970667
【購入】http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4884970667/ithouse-22

──────────────────────────────────────
マーケティングとか広告は保守的な投資と考えるべきである。どちらも奇跡を行なう
手段でもなければ、魔法の方程式でも即効薬でもない。マーケティングが保守的な投
資であることを認識していないと、マーケティング計画に献身することに苦労するだ
ろう。
                            本文43pより抜粋
──────────────────────────────────────

 本書は広告やマーケティングに大金が使えない個人事業や中小企業むけに書かれて
いるマーケティング入門書。各自のビジネスステージに応じてどの広告媒体を選び、
どうマーケティングプランを組み立てればよいのかを教えてくれる一冊だ。

 手紙、電話、案内広告、ダイレクトメールなどのミニメディアから新聞、テレビ、
ラジオといったマスメディアの各媒体。展示会や見本市への出店まで丁寧に解説され
ている。各自のビジネスステージに合わせ必要なところを読み、ステージアップした
ら再読することで優れたマーケティングプランを築くことができる。

 ただし、著者は米国市場を想定しているため日本ではあまり発展していないCAT
Vなどの広告媒体やバーター広告仲介業者などが登場してくる。よって本書を読むま
えに日本の広告業界や広告媒体の基本は押さえておく必要はある。

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   http://www.ithouse.net/japanese/bookshop.htm


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■◇『キャリアショック―どうすればアナタは自分でキャリアを切り開けるのか?』
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【著者】高橋 俊介
【出版社】 東洋経済新報社
【発刊年月】2000年12月14日
【本体価格】1575円 (税込)
【ページ数】214p
【ISBN】4492531084
【購入】http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492531084/ithouse-22

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人脈や情報網の固定は、キャリアショックへの抵抗力をどんどん低めていく。リスク
をヘッジしていくためには、相手の年齢と関係なく、常に人脈や情報網を真摯な気持
ちで再生産していくことが大切だ。
                            本文85pより抜粋
──────────────────────────────────────

 著者は人事組織コンサルティング会社のワトソンワイアットでベンチャー企業、外
資系企業の人材マネジメント、自己責任に基づく人事育成施策の企画や導入に携わっ
てきた人だ。現在は慶応大学大学院の政策・メディア研究科の教授として教鞭をとっ
ている。

 本書は企業倒産や企業買収などが頻繁化している現代社会でどのようにしてキャリ
アを構築してゆけばよいのかを探ったもの。単なる概念論やマネジメント論ではなく
第一線で活躍するキャリアパーソンの事例をもとに展開されている。

 30名以上のキャリアパーソンにロングインタビューして彼らの行動パターンと発
想パターンを明らかしている。第六章「明日から取るべき五つのアクション」で具体
的な行動指針が示されている。

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<= 編集後記 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

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■◇「体育館と選挙」
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 いつも、小学校の体育館が投票会場だ。この小学校は母校なので、選挙のたびに母
校の体育館で投票することになる。古ぼけた体育館だが、メンテナンスはしっかりや
っているらしく、ちっとも変わっていない。

 候補者をネットで調べて投票の参考資料にしたのは、この選挙がはじめてだ。各候
補者が、どのようにインターネットを使うのか興味もあった。投票の参考にしたのが
、民主党の二人の候補者。

 各候補者の「決意表明」をサンプロでみた。どちらに投票するかは、彼らのホーム
ページを読んで決めた。東京選挙区で当選した4人の候補者は、みなホームページを
もっている。内容量の違いはあるが、その違いと得票数との関連はよくわからない。

 ホームページは選挙ポスターのように「使い捨て」にするものじゃない。選挙が終
わっても、はがさないで放置し、色あせている選挙ポスターが大量にある。ホームペ
ージも、ぜんぜん更新しないで放置しておくと「使い捨てポスター」のようになる。

(平岩大樹=通訳翻訳館)


[編集後記は「館長室だより」として通訳翻訳館ウェブサイトに掲載しています]

 ◇編集後記(館長室だより:「体育館」をデジカメで撮影しました)
  http://www.ithouse.net/japanese/tayori/20040716.htm

 ◇いままでの編集後記一覧(館長室)
  http://www.ithouse.net/japanese/director.htm


<= 投稿募集 =>――――――――――――――――――――――――――――――

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■◇「あなたからの投稿を掲載します」
■■………………………………………………………………………………………………

 「通訳翻訳ビジネスレポート」ではメディアが取り上げない通訳翻訳業界の現状を
取り上げ多くの方々と情報共有するべく投稿原稿を幅広く取り上げております。応募
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 原稿内にはご自身のホームページの表記も認めますが、表記によるトラブルについ
ての責任は一切負いかねますのでご了承ください。なお、応募原稿全てを掲載したい
ところですが編集部が掲載を判断したものに限らせていただきます。

 原稿は下記の体裁でお送りください。掲載の成否は1週間以内に必ずご連絡いたし
ます。採用させていただいた原稿は通訳翻訳館ウェブサイト「投稿コラム」に掲載し
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来的に「投稿コラム」は出版物として出版する可能性もありますのであらかじめご了
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ご希望の方は記入ください。

 原稿の成否に関するお問い合わせ、及び成否の理由についてのお答えは一切できま
せんのでご承知おきください。お手数ですが、送信メールの件名には必ず「投稿」と
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