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通訳翻訳ビジネスレポート No.66 2005/10/05 投稿:旧訳への挑戦状
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◆━2005/10/05 第0066号━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆

◇◇通訳翻訳ビジネスレポート◇◇
    http://www.ithouse.net/
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◇目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

<投稿記事>
 ◆「旧訳への挑戦状」平岩大樹(通訳翻訳館)

<書籍紹介>
 ◆『ウェッジウッド物語』相原恭子 中島賢一(著)
 ◆『閉された言語・日本語の世界』鈴木孝夫(著)

<館長室だより>
 ◆「変化しないもの」平岩大樹(通訳翻訳館)

<投稿募集>
 ◆「あなたからの投稿を掲載します」


<= 投稿記事 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

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■◇「旧訳への挑戦状」
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 はっきりいって、翻訳書をみていて面白くもなんともない。内容じゃなくて、商品
としての面白さがぜんぜんない。ちゃんとした翻訳家が表舞台に出てこないから、ま
すます面白くない商品ばかりができあがってくる。

 翻訳家の名前が話題になるのは、一部の読書家や出版関係者の間だけだし、そもそ
も翻訳家という人間が「どういう人たちなのか」というまともなイメージ像すら描く
こともできない。

 虚像だけが一人歩きをしているから、「あこがれ」や「あなたもなれる」式のキャ
ッチコピーが大ウケし、一部の人間を虜にしてしまう。わるいことに、「あこがれ」
や「あなたもなれる」式でその気なっている自称「翻訳家」ばかりが、仮設舞台に堂
々と上がってくるものだから、虚像が実像のように見えてしまう。

 最近、何かと話題になる女子プロゴルフ。ゴルフのことは何も知らないし、ゴルフ
などやりたいとも思わないが、「藍だ、さくらだ」などと人物比較をいちいちワイド
ショーやニュース解説でやられると、まったく興味がなかった女子プロゴルフにも、
目がとまる。

 なにより、彼女たちの真剣な顔つきと目つきだ。さすがに、女子プロゴルフのトー
ナメント会場に行くつもりはないが、目の前で彼女たちの姿をみたら間違いなく「面
白い」はずである。なぜか、それは本物の真剣勝負だからだ。

 真剣勝負をやっている人間を傍から観察するものほど面白いものはない。その反対
にあるのが、竹刀の勝負だ。竹刀だから、しょせん打ち所がわるくても青たんができ
るだけで、やる方もやられる方も、どこかで手を抜く。職業生命がかかっているわけ
じゃないだから、適当なやっつけ仕事もできる。

 ある意味、竹刀のルールで出来上がっているのが翻訳書という商品である。最近で
は、真剣をもった翻訳家が出てくることもあるが、真剣と竹刀では勝負にならない。
だから、見ていて面白くない。真剣と竹刀で勝負すれば、真剣が勝つに決まっている
からだ。

 ところが、その真剣と竹刀の勝負だってめったに行われないのである。いってみれ
ば、新訳と旧訳は「勝負の場」になるわけだが、旧訳を超えられない翻訳書や、そも
そも勝負にならないような翻訳家を使って翻訳書をつくるものだから、一時的な話題
になっても、すぐに忘れられてしまう。

 おかしなことに旧訳の弱点を突いて、新しい価値、新しいものの見方をつくりだし
た翻訳家に、まともな評価がなされない。時代がどうのとか、世代が違うとかなとか
いって、旧訳の翻訳家の言い訳を新訳の翻訳書にわざわざ掲載する無神経な出版社も
あるから、驚くほかない。

 新訳を出すということは、旧訳に対する「挑戦状」であって、旧訳の弱点を突き、
新しい価値、新しいものの見方をつくりだすことのできない新訳など出版するに値し
ないのである。それこそ、資源の無駄であって、クズを増やすだけなのである。

(平岩大樹=通訳翻訳館)

 ◇平岩大樹
  1998年10月、「通訳翻訳館」の前身となった非営利求人求職サイト「個人
  翻訳通訳館」を立ち上げる。2000年に同サイトを「通訳翻訳館」に名称変更
  するとともに「通訳」と「翻訳」に特化した求人求職サイトを始める。2000
  年から通訳翻訳館の館長。http://www.ithouse.net


[この記事は通訳翻訳館ウェブサイトにも掲載されています]

 ◇掲載記事
  http://www.ithouse.net/japanese/column/doc/20051005.htm

 ◇いままでの記事一覧
  http://www.ithouse.net/japanese/column/box.htm

 ◇記事を投稿する
  http://www.ithouse.net/japanese/column/send.htm


<= 書籍紹介 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

■■………………………………………………………………………………………………
■◇『ウェッジウッド物語』
■■………………………………………………………………………………………………

【著者】相原 恭子 中島 賢一
【出版社】日経BP社
【発刊年月】2000年02月20日
【本体価格】1890円 (税込)
【ページ数】173p
【ISBN】4822226794
【購入】http://www.ithouse.net/japanese/ac/bk_4822226794.htm

──────────────────────────────────────
ウェッジウッドの創始者、ジョサイア・ウェッジウッドが目指したのは、技術と芸術
の融合。「これまでの陶芸を一歩進めて、芸術の域まで洗練させたい」。そう夢見た
彼は、生涯、熱心な作陶技術の研究と創作を続け、数々の名品を誕生させた。
                           本文9pより抜粋
──────────────────────────────────────

 本書は1759年創業の陶磁器メーカー「ウェッジウッド」の代表的な製品から、
創業者ジョサイア・ウェッジウッドの人物像を明らかにしたものである。約4年かけ
て開発されたという「ジャスパー」の断片、古代ローマの壺を再現した「ポートラン
ドの壺」などを実物写真で紹介していく。

 イギリス産業革命を追い風に、ジョサイアはどのような理想を掲げて陶磁器をつく
りはじめたのか、現代製品にも受け継がれるジョサイアの理念とは何か。2世紀を超
えて輝き続けるウェッジウッドの陶磁器、そのひとつ一つのなかに継承される制作思
想に光をあてる。

 イギリス、ストーク・オン・トレントの町に点在するジョサイアゆかりの地をたず
ね、「英国陶工の父」がどのような社会的環境から生まれ、ウェッジウッド社を設立
し、現在にいたっているのかをたどっている。

 ◇そのほかのオススメ選書をみる
   http://www.ithouse.net/japanese/bookshop.htm


■■………………………………………………………………………………………………
■◇『閉された言語・日本語の世界 鈴木孝夫著作集2』
■■………………………………………………………………………………………………

【著者】鈴木 孝夫
【出版社】岩波書店
【発刊年月】2000年01月06日
【本体価格】3675円 (税込)
【ページ数】337p
【ISBN】4000923129
【購入】http://www.ithouse.net/japanese/ac/bk_4000923129.htm

──────────────────────────────────────
私たちはヨーロッパ語はこうだ、英語はこうだ、しかるに日本語は、というようなこ
とをよく言うわけですが、実は暗黙の前提であるそのヨーロッパ語の認識それ自体が
われわれの思っているほどは正確でない。つまり私たちは英語ですら意外に知らない

                           本文303pより抜粋
──────────────────────────────────────

 本書は、日本が伝統的に行ってきた「モノと文献」による外来文化の受容方法から
引き起こされてくる自国文化ならびに日本語への劣等感覚、劣等意識がどのようにし
て生まれ、現代日本社会に受け継がれているのかを探ったものである。

 明治をへて近代化を達成した現代日本には、いまだに西欧を「最上」とする非現実
的、幻想的ともいうべき単純化された「ものの見方」から抜きけれていないと著者は
指摘する。

 世界に存在する約3500種の言語のなかで、日本語と全く異なった言語体系を持
つ英語などのヨーロッパ言語と比較すれば「違う」のは当然なことであって、それを
不便だとか、非能率などと評価し、劣っていると思い込むのは、大きな間違いであり
、生産的な発想ではないと説いている。

 ◇そのほかのオススメ選書をみる
   http://www.ithouse.net/japanese/bookshop.htm


<= 館長室だより =>―――――――――――――――――――――――――――――

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■◇「変化しないもの」
■■………………………………………………………………………………………………

 三宝寺池の水辺観察園で、じっくり水辺を観察していると気づくことがある。「何
に」気づくのかというと、自然界で変化しないものは役割を終えて死んでいるという
、当たり前のことをだ。

 三宝寺池の水辺観察園には、カワセミやサギがやってくるし、国の天然記念物も育
てられているから、ほぼ自然にちかい環境がつくりあげられているといっていい。中
型のクモ、カナヘビ(トカゲ)が水生植物の葉っぱに隠れて獲物を狙っているし、小
川の浅瀬にはヤマトエビとか、アメンボがたくさんいる。

 草むらにはコオロギ、木の上の方からはセミ、ちょと遠くの方からは野鳥のさえず
りが聞こえてくる。赤や青のトンボも、そこに加わって、なんとも賑やかな舞台のよ
うに思えたが、よくよく観察していると、そこは弱肉強食の世界だった。

 警戒心の薄れたバッタはカナヘビに食われ、トンボだってクモの巣にひっかかれば
クモに食われる。役割を終えた者は、すぐに別の生き物の糧となる世界。この世界に
は、無駄なものはない。そう思った。

(平岩大樹=通訳翻訳館)


[館長室だよりは通訳翻訳館ウェブサイトにも掲載されています]

 ◇館長室だより(「キツネノマゴ」などをデジカメで撮影しました)
  http://www.ithouse.net/japanese/tayori/20050926.htm

 ◇いままでの館長室だより一覧(館長室)
  http://www.ithouse.net/japanese/director.htm


<= 投稿募集 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

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■◇「あなたからの投稿を掲載します」
■■………………………………………………………………………………………………

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ます。採用させていただいた原稿は通訳翻訳館ウェブサイト「投稿コラム」に掲載し
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