先週はじまった米英によるイラク戦争のライブ中継をみていると、あらためて「平和の尊さ」を感じます。西洋翻訳文化史のなかで古代イスラム帝国(首都バグダッド)と信仰深いイスラム教徒が行なったギリシア文献のアラビア語翻訳の大業績はいまでも称えられています。
キリスト教によって葬られた大量のギリシア文献を、イスラム教徒たちは巨額の富をつぎこんで収集しアラビア語に翻訳してくれました。アリストテレスの哲学をはじめ、ピタゴラスの数学、ヒッポクラテスの医学、天文学、幾何学、光学、地理学はイスラム教徒たちの翻訳がなければ、その英知は永久に葬りさられていたともいわれています。
イタリアから始まったルネサンスにより長らくアラビア語に翻訳され保存されていたギリシア文献がラテン語に翻訳され、それがまた現在のヨーロッパ言語に翻訳され近代科学の礎をつくあげたことは歴史上の事実となっており、こうしてインターネットや衛星放送が使えるのも古代イスラム帝国に仕えた大翻訳家の偉業があったことを、世界は認知すべきでしょう。 |
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