翻訳書にはだいたい「訳者あとがき」というもの書いてある。 いろいろな事情で書けない翻訳書もあるみたいだが、たいていは書いてある。だいたい数ページしかない。
これが楽しくて、おもしろい。 いってみれば、1冊のエッセンスみたいなものだ。「訳者あとがき」の短い文章には、翻訳家の姿勢、情熱、生き方がにじみでている。
気にいった翻訳家や一流の翻訳家の「訳者あとがき」はいつも楽しく、おもしろく、学ぶものがある。会って話したこともはないが、「訳者あとがき」を読んでいると、人間としての人物イメージ、性格、気質もある程度つかめてしまう。
翻訳家、仁平和夫はユーモアセンスがあり、ちゃめっけたっぷりの翻訳家だったのかもしれない。「訳者あとがき」に書かれている文章と行間を読むとそんなイメージが湧いてくる。 |
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