◆━2003/01/27 第0008号━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
◇◇通訳翻訳ビジネスレポート◇◇
http://www.ithouse.net/
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◇目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<投稿記事>
◆「訪日ツーリズム元年」
<書籍紹介>
◆『日本語の磨きかた』林 望(著)
<編集後記>
◆「新年おめでとうございます」
<投稿原稿募集要項>
◆「あなたの考えを投稿してみませんか」
<= 投稿記事 =>―――――――――――――――――――――――――――――――
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■◇「訪日ツーリズム元年」
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2002年12月、国土交通省から「グローバル観光戦略」が発表された。この「
グローバル観光戦略」は、いままで見過ごされてきた訪日外国人旅行者の経済波及効
果に注目し、その受け入れ数を2007年には800万人台を目指すという国家観光
戦略である。「ものづくり」を中心として発展してきた日本経済が長期低迷するなか
、新たな経済活性化の起爆剤として観光産業を捉え直し、「世界に開かれた観光大国
」になることを目指す戦略である。
産業として観光をみてみると、あらゆる産業が複合的に交わる総合産業であること
がわかる。旅行業にはじまり宿泊業、運送業、飲食業、小売業、アミューズメント業
、広告業、製造業と裾野が広い。当然、通訳業、翻訳業も観光産業の一翼を担う産業
であり、必要不可欠な存在である。今回、国土交通省がまとめた「グローバル観光戦
略」をネタに通訳翻訳ビジネスの動向を予想してみよう。
戦略では東アジア・太平洋地域のおける1995年から2000年までの到着旅行
者数伸び率(年平均約6%)、世界観光機関(WTO)から発表された2000年か
ら2010年の予想伸び率(年平均約7.7%)を引用し巨大な外貨獲得機会を目前
にしているという。そこで官民の力を集結し、訪日する外国人旅行者数を現状水準4
77万人(2001年実績値)から800万人台まで増やすことで観光産業を有力な
外貨獲得産業に育てあげると宣言している。
実行すべき戦略として「市場見極め戦略」、「イメージづくり・商品開発戦略」、
「海外PR・プロモーション戦略」、「査証戦略」、「国際連携戦略」、「ウエルカ
ム戦略」、「情報提供戦略」、「交通利便性戦略」、「観光交流空間づくり戦略」、
「観光産業再生戦略」、「インキュベーション戦略」、「連携強化戦略」、「官民合
同推進戦略」、「施策実行戦略」、「施策見直し戦略」の15戦略を提示している。
個別の戦略内容は箇条書きばかりで「戦略」とはいえない代物だが、国家として「
戦略メモ」をまとめたことは評価したい。そこで実行すべき15戦略のなかで通訳翻
訳ビジネスに直結する「海外PR・プロモーション戦略」、「情報提供戦略」につい
て深く掘り下げてみよう。
まず「海外・プロモーション戦略」は「海外におけるPR・情報提供の徹底な実施
と商品の販売促進」を目的にした戦略で、在外外国人に日本を積極PRし、旅行意欲
をかきたてる戦略だ。施策例として注目するのは「旅行者向け情報提供の充実策」と
「コンベンション・イベント・団体旅行の積極誘致策」である。
「旅行者向け情報提供策」として「ホームページの多言語化」、「外国語パンフレ
ット類の充実および適切な配布」をあげている。この施策は日本語から外国語にする
翻訳需要を喚起するもので、英語だけでなくアジア言語など多言語の翻訳需要が見込
める施策だ。
もう一つの「コンベンション・イベント・団体旅行の積極誘致策」は、いままで自
治体、施設運営者、コンベンション事業者が中心となって誘致してきたコンベンショ
ン・イベントが国家戦略として格上げされたことによって専業通訳者の需要を回復さ
せる可能性がある施策だ。なかでも大勢の訪日外国人が見込める大規模コンベンショ
ン・イベントに狙いを定めた積極誘致策によって専業通訳者の人材不足も予想される
。
次に「情報提供戦略」は「国内における外国人旅行者への適切な情報提供」を目的
にした戦略で、訪日した外国人旅行者に支障なく観光を楽しんでもらうための戦略だ
。施策例としては「訪日外国人旅行者のニーズに合った外国語情報の作成・充実と適
切な場所での提供」、「外国語で書かれた日本の観光ガイドブック・雑誌等の日本で
の出版・販売の促進」、「外国人旅行者に対応可能な観光案内所の充実、増大」、「
インターネット上での外国語情報の充実と、インターネット利用環境の整備」、「携
帯情報端末を活用した外国語情報提供環境の整備」をあげている。
特に「訪日外国人旅行者のニーズに合った外国語情報の作成・充実と適切な場所で
の提供」は観光案内、パンフレット、交通案内、サービスメニュ、緊急時対応マニュ
アル等を主要ターミナル、ホテル、旅館、飲食店、観光施設などにおいて整備し、提
供するもので爆発的な翻訳需要を引き起こす可能性を秘めている。
また「外国人旅行者に対応可能な観光案内所の充実、増大」ではそのスタッフとな
る通訳人材の充実は、あらたな通訳者ニーズを創造し大きな人材マーケットを生み出
すこととなる。「情報提供戦略」で示されている5つの施策はいづれも通訳翻訳ビジ
ネス活性化の起爆剤となりうる施策で、その実現に期待したい。
(平岩 大樹=通訳翻訳館)
[この記事は通訳翻訳館サイトに掲載されています]
◇掲載記事
http://www.ithouse.net/japanese/column/doc/20030127.htm
◇いままでの記事一覧
http://www.ithouse.net/japanese/column/box.htm
<= 書籍紹介 =>―――――――――――――――――――――――――――――――
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■◇『日本語の磨きかた』
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【著者】林 望
【出版社】PHP研究所
【発刊年月】2000年11月6日
【本体価格】660円 (税抜き)
【ページ数】226p
【ISBN】4569613209
【購入】http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569613209/ithouse-22
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日本語を磨くことが、日本人としての人間的感受性を磨くことでもあり、つまり延い
ては外国語を磨くことにもなる。美しく自覚的な母国語こそがすべての基いだといっ
てよろしい。
本文199pより抜粋
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著者は1949年生まれの作家、書誌学者。高校教師、大学助教授として30年以
上にわたり国語、日本文学を教えてきた教育者でもある。本書は官僚主導で進められ
てきた国語教育や日本の入試試験制度の問題点を指摘し、あるべき日本語教育の姿が
描いてある。
著者が育った家庭での言語環境を分析し、「言葉のセンス」がどのようにして養わ
れたのかが検証されている。長く教壇に立っきた教育者の著者がどのようにして日本
語を磨けばよいのか、実践的なトレーニング法が簡潔にまとめられている。
日本語の「読むこと」、「書くこと」、「聞くこと」、「話すこと」のそれぞれに
ついてリンボウ流(林望流)が貫かれている。第一部「表現することの自覚」で読み
、書き能力を、第二部「話しことばのインテリジェンス」にて聞く、話す能力の磨き
方がおさめられてある。
<= 編集後記 =>―――――――――――――――――――――――――――――――
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■◇「新年おめでとうございます」
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編集部のひらいわです!
新年があけて第一号となる「通訳翻訳ビジネスレポート」メルマガ。今年はどんな
ことが起きるのでしょう。先がわからない時代、先がよめる時代、どちらも長短があ
り、どちらがよいかはわかりません。どちらの時代でも大切なのがバランス感覚だと
思います。
それから「通訳翻訳ビジネスレポート」メルマガの読者数が1000人を超えるこ
とができました。これも購読してくださる読者みなさまのおかげです。さらなるコン
テンツ充実のため、お友達に「通訳翻訳ビジネスレポート」メルマガを紹介していた
だくと助かります。
もっというと、読者としての意見を「投稿」していただくともっと面白いメルマガ
になると思います。マスコミなどに取り上げられることのない現場の意見を多くの人
に伝える媒体として「通訳翻訳ビジネスレポート」メルマガをどうぞよろしくお願い
いたします。
<= 投稿募集 =>――――――――――――――――――――――――――――――
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■◇「あなたからの投稿を掲載します」
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取り上げ多くの方々と情報共有するべく投稿原稿を幅広く取り上げております。応募
の資格は「通訳翻訳ビジネスレポート」の読者であればどなたでも応募いただけます
。
原稿内にはご自身のホームページの表記も認めますが、表記によるトラブルについ
ての責任は一切負いかねますのでご了承ください。なお、応募原稿全てを掲載したい
ところですが編集部が掲載を判断したものに限らせていただきます。
原稿は下記の体裁でお送りください。掲載の成否は1週間以内に必ずご連絡いたし
ます。採用させていただいた原稿は通訳翻訳館ウェブサイト「投稿コラム」に掲載し
「通訳翻訳ビジネスレポート」メールマガジンにも掲載させていただきます。なお将
来的に「投稿コラム」は出版物として出版する可能性もありますのであらかじめご了
承ください。
応募原稿体裁―「通訳」または「翻訳」をキーワードに政治・経済・文化などにつ
いてのあなたご自身のご意見を1行全角38字詰め、総字数1000字〜2000字(見出しを
含む)にまとめ、下記アドレスへお送りください。メールアドレスのみの匿名による
応募も受け付けますが会社名、氏名、メールアドレス、ホームページURLの表記を
ご希望の方は記入ください。
原稿の成否に関するお問い合わせ、及び成否の理由についてのお答えは一切できま
せんのでご承知おきください。お手数ですが、送信メールの件名には必ず「投稿」と
いう文言を記入してください。
随時募集いたしております、奮ってご応募ください。
投稿先メールアドレス:column@ithouse.net
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