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通訳翻訳ビジネスレポート No.16 2003/12/12 投稿:業界誌とスクール
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◆━2003/12/12 第0016号━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆

◇◇通訳翻訳ビジネスレポート◇◇
    http://www.ithouse.net/
◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆


◇目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

<投稿記事>
 ◆「業界誌とスクール」平岩大樹(通訳翻訳館)

<書籍紹介>
 ◆『翻訳のココロ』鴻巣友季子(著)
 ◆『7つの習慣 最優先事項』スティーブン・R・コヴィー 他(著)宮崎伸治(訳)
 ◆『デルの革命』マイケル・デル 他(著)吉川明希(訳)
 ◆『売れるもマーケ 当たるもマーケ』アル・ライズ 他(著) 新井喜美夫(訳)

<編集後記>
 ◆「展望台の眺めから」

<投稿募集>
 ◆「あなたからの投稿を掲載します」


<= 投稿記事 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

■■………………………………………………………………………………………………
■◇「業界誌とスクール」
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 通訳翻訳の業界誌と通訳翻訳スクールにはあまり語られることのない関係がある。
それは業界誌とスクールがお互いをうまく活用し、それぞれのビジネスを拡大させて
きた関係である。長引く景気低迷にともない、この関係にも「ほころび」がみえはじ
めた。 

 まず、スクールをみてみる。スクールビジネスの基本は通学講座、通信講座を設定
し受講生を集め、その受講生から講座受講料やテキスト代をもらって儲けるビジネス
である。スクール経営のポイントは、効率よく受講生を集め、末長く受講させること
である。

 スクールは効率よく受講生を集める広告ツールとして、業界誌を好んで使う。典型
的なスクールは「あなたも翻訳家になれる」、「語学を生かして」という宣伝文句を
広告に散りばめ、受講生を集める。

 一方、業界誌の大きな収入源となっているのが、スクールからの広告収入だ。スク
ールが業界誌に掲載する広告掲載料は、スクールが受講料収入で儲けたお金。つまり
受講生ひとり一人が納めた受講料だ。

 業界誌は有料の広告掲載枠だけでなく、積極的にスクールの記事や特集を組んで宣
伝する。そうすることでスクールに入学する受講者は増え、スクールの受講料収入も
増える。スクールの受講料収入が増えれば、スクールが業界誌に広告掲載する回数も
増え、業界誌が受け取る広告収入も増える。

 業界誌とスクールの双方にとって儲けることができる「仕組み」である。この仕組
みを支えるためには「幻想」を信じる受講生の存在が欠かせない。「あなたも翻訳
家になれる」、「語学を生かして」というキャッチコピーを鵜呑みにし、信奉する受
講生が必要不可欠なのである。

 そこで業界誌は「あなたも翻訳家になれる」、「語学を生かして」というキャッチ
コピーを連想されるような記事を書き、特集を組み、スクールの宣伝記事を書く。ち
なみに「憧れの職業」という「幻想」もその過程で創作され、さかんに使われたキャ
ッチコピーだ。

 しかし、流れは変った。長引く日本経済の低迷にともない、まじめに会社に尽くし
てきたサラリーマンたちは首を切られ、セクハラを訴える女性社員、バイリンギャル
もどこかに消えた。

 1990年代はまだ家計も個人にも余力があった。しかし、企業のリストラが年々
大規模かつ容赦なく実施され、友人や家族がリストラにあったり、企業そのものが倒
産していくようになった。

 書店に陳列された本や雑誌は売れない。一方、図書館の貸し出し予約数は急上昇し
ている。消費者は支出を切り詰め、生活防衛に必死だ。「憧れの職業」などという「
幻想」にうかれる人はもういない。

 「国際化」のかけ声によって開花いた語学ブーム。語学ブームにビジネスチャンス
を見出した業界誌。語学ブームの終焉とともに業界誌は廃刊や縮小の道をたどる。そ
れはスクールが効率よく受講生を集める広告ツールを失うことを意味する。

 焦るスクールは業界誌のかわりにポータルサイトを広告ツールに使おうとしている
。だが、インターネットユーザーに「幻想」は通用しない。よって業界誌ほどの広告
効果は期待できない。

 業界誌の廃刊や縮小はスクールの集客力を削ぎ落とし、スクールの台所事情を悪化
させる。スクールの台所事情が悪化すれば業界誌がスクールから受け取る広告収入も
も減ることになるだろう。

(平岩大樹=通訳翻訳館)


[この記事は通訳翻訳館ウェブサイトにも掲載されています]

 ◇掲載記事
  http://www.ithouse.net/japanese/column/doc/20031212.htm

 ◇いままでの記事一覧
  http://www.ithouse.net/japanese/column/box.htm


<= 書籍紹介 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

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■◇『翻訳のココロ』
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【著者】鴻巣 友季子
【出版社】ポプラ社
【発刊年月】2003年08月20日
【本体価格】1300円 (税抜き)
【ページ数】195p
【ISBN】4591077551
【購入】http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4591077551/ithouse-22

──────────────────────────────────────
ホンヤクも「いかにも巧い訳語」と読者に思わせるようでは、名訳とは言えないんだ
な、とつくづく思う。「いかにも労作」というのもいただけない。こちらの負荷を読
者に伝えてしまってどうする、と常に自戒はしている。たぶん、本当にいい翻訳とは
、読者が訳文の出来不出来などに思い至りもせず、「ああ、なんて面白い本なんだ」
と息つく暇もなく読んでしまう翻訳なのだ。
                           本文51pより抜粋
──────────────────────────────────────

 著者はエミリー・ブロンテ『嵐が丘』、トマス・H・クック『緋色の記憶』など英
米文学を中心に50点ちかくの翻訳書にかかわる1963年生まれの翻訳家。英米文
学のほかにノンフィクション、神経科学、旅行記などの翻訳書をもつ。下積み時代に
は雑誌ライター、インタビュアーを兼業していた。

 著者は音楽家やワイン職人が仕事に傾ける情熱と翻訳家が翻訳に傾ける情熱にはど
こか似ているところがあるという。「翻訳すること」の本質とは何なのか、棒高跳び
、マラソン、パスタの料理法などの「たとえ話」をうまく使って説明している。

 「嵐が丘コラム」は新訳『嵐が丘』に取り組んだ日々を綴った翻訳日記になってい
おり、小説の舞台となった北イングランドでの翻訳調査、そこから得られた着想など
を明かしている。東京大学助教授の柴田元幸との翻訳対談もついており、「ことばの
グレイゾーン」、「読者の存在」などを取上げている。

 ◇そのほかのオススメ選書をみる
   http://www.ithouse.net/japanese/bookshop.htm


■■………………………………………………………………………………………………
■◇『7つの習慣 最優先事項』
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【著者】スティーブン・R・コヴィー レベッカ・R・メリル A・ジャー・メリル
【翻訳】宮崎 伸治
【出版社】キングベアー出版
【発刊年月】2000年8月10日
【本体価格】1900円 (税抜き)
【ページ数】533p
【ISBN】4906638112
【購入】http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4906638112/ithouse-22

──────────────────────────────────────
ビジョンは、人間の行為に関する想像力と動機が最もうまく具現化したものである
。ビジョンは、将来を見通す能力、今まで存在しなかったものを作ったり発明したり
する能力、理想の自分になる能力のことである。ビジョンは、記憶からではなく、想
像力から生きる能力を与えてくれる。
                          本文172pより抜粋
──────────────────────────────────────

 本書は前著『7つの習慣』における「自己管理の原則(第三の習慣)」をより深く
掘り下げたものである。時間管理、目標設定の概念をさらに詳しく解説し、時間の使
い方、ビションの立て方、良心の鍛え方、1週間単位のマネジメント手法とその管理ツ
ールを紹介している。

 著者らは「良心の心」がすべての源であるとまず定義する。原理原則を踏みはずす
ことなく目的地に到達するためには自分自身の内なる声を大切にし、それを社会生活
、ビジネス、人間関係に持ち込むことであるという。

 「良心の心」に従ってビジョンを持てば、目標の設定、時間の使い方、人間関係、
ビジネス、社会生活に劇的な変化を引き起こすことが可能であると語っている。「良
心の心」に従ってビジョンを持てば生活の質の改善やビジネスでの成功だけでなく、
自分で自分の将来を創り出すことができるようになると説いている。

 ◇そのほかのオススメ選書をみる
   http://www.ithouse.net/japanese/bookshop.htm


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■◇『デルの革命』
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【著者】マイケル・デル キャサリン・フレッドマン
【翻訳】吉川 明希
【出版社】日本経済新聞社
【発刊年月】1999年7月23日
【本体価格】1600円 (税抜き)
【ページ数】328p
【ISBN】4532147646
【購入】http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532147646/ithouse-22

──────────────────────────────────────
「これで十分」と思って現状を認めてしまうのは、バックミラーを見て運転するのと
同じである。今日のような経済状況では、将来、何かに正面衝突してしまう結果に終
わるのは確実だ。競争力を維持するためだけでも、たえず自分がやっていることにつ
いて問い直さなければならない。
                          本文181pより抜粋
──────────────────────────────────────

 著者は世界的に展開するコンピューター直販会社「デル」の創業者。1000ドル
の資金をもとでに大学寮の一室で開業し、顧客の注文どおりにカスタムメードされた
コンピューターを直接販売するコンピュータービジネスを築いた人。

 著者は成功するのに必要なものは構想と夢だけで十分だという。能力や資本力はさ
ほど必要ではなく、顧客との良好関係を築き、顧客の立場でサービス・製品を提供す
ることができなければいいという。

 なぜなら、より競争力のあるサービス・製品を生み出す鍵は顧客が教えてくれるか
らだという。コストや価格だけに頼るビジネスは、長続きする競争優位にはならず、
顧客から学ぶことができなければサービス・製品を改善し、より優れたサービス・
製品を生み出すことはできないと断言している。

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■◇『売れるもマーケ 当たるもマーケ』
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【著者】アル・ライズ ジャック・トラウト
【翻訳】新井 喜美夫
【出版社】東急エージェンシー出版部
【発刊年月】1994年1月15日
【本体価格】1456円 (税抜き)
【ページ数】231p
【ISBN】4884970233
【購入】http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4884970233/ithouse-22

──────────────────────────────────────
化学的に見れば、アルコールは強い抑制剤である。しかし、飲んだ直後、人の心の抑
圧を押さえ込むことによって、あたかも興奮剤であるかのような働きをするのである
。多くのマーケティング活動が同じような現象を示す。長期的なマーケティング効果
は、短期的な効果の正反対である場合が多いのである。
                          本文110pより抜粋
──────────────────────────────────────

 本書はマーケティングの基本となる22法則をまとめたものである。効果的なマー
ケティング戦略を作成したり、書き直す際にガイドとなる。マーケティングをより理
解し、マーケットポジションや差別化要因の設定にも活用することができる。

 著者らはマーケティングとは顧客のもつ知覚をめぐる戦いであるとし、商品やサー
ビスの価値、品質、機能、能力、価格をめぐる戦いではないという。品質がいい、価
格が安い、機能が優れているということとマーケティングで成功する、つまり利益を
あげることとは関係がないと断言している。

 そして顧客の心に一つの言葉を理解してもらい、覚えてもらえばいいと解説してい
る。マーケティング計画の前提がどうあるべきなのか、そしてどのようなマーケティ
ングを展開すればいいのか、そのヒントを与えてくれる一冊である。

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<= 編集後記 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

■■………………………………………………………………………………………………
■◇「展望台の眺めから」
■■………………………………………………………………………………………………

 ビルの高層化がすすんでいる。お役所まで高層化している。用事のついでに20階
建ての練馬区役所にいってみた。アトリウムにグランドピアノなど役所の固〜い雰囲
気をどうにか変えたいらしいのだが、いまいちパッとしない。

 平日ということもあり、最上階の展望台に人はいなかった。たまに掃除のおばさん
が通るくらいなものである。晴れてはいたが、筑波山や富士山はみえなかった。まあ
、それでも役所からみた眺めはわるくなかった。

 しかし、役所のPRもヘタクソである。これだけの眺めを無料で楽しめるのなら、
もっと区民にPRしてもいい。そうすれば区役所に多くの人が足を運び、区民交流の
場として活性化するんじゃないか。そんなことを考えた。それは観光立国を唱えるわ
が国ニッポンの国家戦略にも言えそうだ。(平)


<= 投稿募集 =>――――――――――――――――――――――――――――――

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■◇「あなたからの投稿を掲載します」
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取り上げ多くの方々と情報共有するべく投稿原稿を幅広く取り上げております。応募
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