◆━2004/08/04 第0037号━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
◇◇通訳翻訳ビジネスレポート◇◇
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◇目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<投稿記事>
◆「軽視の代償」平岩大樹(通訳翻訳館)
<書籍紹介>
◆『論文の書き方』清水幾太郎(著)
◆『土光敏夫の哲学』PHP研究所(編)
◆『インビジブル・マーケティング』ハリー・ベックウィス(著)
阪本啓一(訳)
◆『絶対できる!』川西茂(著)
<編集後記>
◆「ぬけがら三兄弟」平岩大樹(通訳翻訳館)
<投稿募集>
◆「あなたからの投稿を掲載します」
<= 投稿記事 =>―――――――――――――――――――――――――――――――
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■◇「軽視の代償」
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節約すべきところを節約せず、節約してはならないところを削ると、大量の個人情
報が流失したり、欠陥商品が人間を襲う。前代未聞の不祥事や大事件を引き起こした
企業に共通するのは、節約してはならない費用を削ったという事実だ。
湯水のようにマスメディア広告に大金を注ぎ込んでおきながら、人材育成、安全管
理、情報管理などといった信用問題に直結するところを軽視し、削った。本来なら、
人材育成、安全管理、情報管理に大金を注ぎ込むべきところだが、そうはしなかった
。
節約すべきところを節約せず、節約してはならない費用を削れば、その代償は何倍
、何十倍、何百倍になって戻ってくる。「雪印」というブランドがどうなったか、「
三菱自動車」というブランドがどうなっているか、それを思い出してみればいい。
ハッタリ、ごまかし、テクニックに溺れているから、徹底的に節約すべきところが
どこで、節約してはならない大切なものが何なのかがわからなくなる。何十年もかけ
て大切に育ててきた企業イメージ、商品ブランド、信用力が、たった一日で崩れる。
一流企業といわれた大企業でさえもハッタリ、ごまかし、テクニックに溺れている
。「つくられた権威」の象徴だった大学、出版社でさえもハッタリ、ごまかし、テク
ニックに溺れ、迷走している。
なぜなら、日本社会の根っこに傲慢ウィルスが感染しているからだ。傲慢病と闘う
には、先人たちの知恵を借りるしかない。先人たちが目指したものを知り、先人たち
がどのようにして傲慢病と闘ってきたのか、その歴史を知るしかない。
古典には、先人たちの英知が刻み込まれている。古典に新しい魂を吹き込み、現代
社会に復活させれば、傲慢病の治療薬になる。傲慢病と闘うため、古典を復活させな
ければならない。だが、古典の復活に激しく抵抗している人間がいる。
一度手に入れた「つくられた権威」を堅く握りしめ、必死なって抵抗している。「
つくられた権威」が権威として機能しなくなっているにもかかわらず、ハッタリ、ご
まかし、テクニックを駆使して「みせかけの権威」をなんとかして「つくられた権威
」に戻そうとしている。だが、それはうまくいかない。
日本文明は残酷だ。生き残るためなら何だってやる。日本文明は権威を再生産する
ことで、激動する世界環境に適応し生き残ってきた。日本文明における大変革期とは
、「みせかけの権威」が石ころや紙くず同然になり、新たな「つくられた権威」が誕
生する時にほかならない。
新たな「つくられた権威」の多くが通訳、翻訳という営みから生まれる。新たな「
つくられた権威」を創造し、新環境に適応して生き残りたいのなら通訳、翻訳という
営みを軽視してはならない。もし通訳、翻訳という営みを「語学」などといって軽視
すれば、その代償は何倍、何十倍、何百倍になって戻ってくる。
(平岩大樹=通訳翻訳館)
[この記事は通訳翻訳館ウェブサイトにも掲載されています]
◇掲載記事
http://www.ithouse.net/japanese/column/doc/20040804.htm
◇いままでの記事一覧
http://www.ithouse.net/japanese/column/box.htm
<= 書籍紹介 =>―――――――――――――――――――――――――――――――
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■◇『論文の書き方』
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【著者】清水 幾太郎
【出版社】岩波書店
【発刊年月】1959年3月17日
【本体価格】735円 (税込)
【ページ数】214p
【ISBN】4004150922
【購入】http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4004150922/ithouse-22
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笑われて、軽く見られても、自分の言いたいことだけを言おう。味方がひとりもいな
くても、自分だけで攻めて行こう。正直に書くとか、ありのままに書く、とかいう教
訓はこの意味で役立つべきものである。
本文114pより抜粋
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著者は「社会学講義」「社会心理学」などの著書を持ち、訳書にE・H・カー「新
しい社会」「歴史とは何か」、J・テインゲルヘン「新しい経済」など持つ翻訳家、
文筆家である。
本書の「論文」とは「知的散文」という広い意味で、内容及び形式が知的であるよ
うな文章をいい、広く知的散文の書き方を指す。主に大学での卒業論文、レポート、
会社内での報告書、講演などの草稿を書く人を想定し、書くことの前に必要な準備や
姿勢を説いている。
著者の30年以上にわたる文筆生活と経験に反省を加え、書くという行為は何なの
か、どのようにすれば書けるようになるのか、著者の行ったトレーニング方法と失敗
談が紹介されている。
◇そのほかのオススメ選書をみる
http://www.ithouse.net/japanese/bookshop.htm
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■◇『土光敏夫の哲学―己を律し、信念を貫け』
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【編者】PHP研究所
【出版社】PHP研究所
【発刊年月】2002年06月28日
【本体価格】1200円 (税込)
【ページ数】221p
【ISBN】4569622844
【購入】http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569622844/ithouse-22
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要は、ものごとをとことんまで押し詰めることである。そういう経験が自信を生むの
である。能力とは「自力の高さと幅」だといえる。自信を一つひとつ積み上げること
が、能力を獲得する過程である。だから、それぞれの型のなかで、執念をもってそれ
を押し詰めることが肝心なのだ。
本文44pより抜粋
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本書は、戦後混乱期から復興期に経営手腕を発揮した名経営者、土光敏夫の発言録
である。『財界』、『経済界』などに掲載された記事を一冊にまとめ、土光敏夫が何
を考え、何を目指して生きたのか、その経営哲学に迫ったものだ。
土光は、困難を受け入れ、困難にいどみ、どんな障害がおきても執念をもってやり
ぬけば、何らかの進歩が必ずあるという。高い目標を掲げ、何がなんでもやりぬく強
烈な意思の力と根性で苦境を乗り越えたとき、ほんとうの自信が生まれるのだともい
う。
思考を行動に移し、その行動結果から次の思考を生み出す。思考と行動の繰り返し
のなかで生きたアイデアが生まれるのであって、行動となって表れない思考などビジ
ネスに無用だと書き残している。
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■◇『インビジブル・マーケティング』
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【著者】ハリー・ベックウィス
【翻訳】阪本 啓一
【出版社】ダイヤモンド社
【発刊年月】2001年4月12日
【本体価格】1680円 (税込)
【ページ数】246p
【ISBN】4478501920
【購入】http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478501920/ithouse-22
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あなたは、見込客があなたの会社をどう見ているかという「ものの見方」と競争して
いるのである。ビジネスの世界は弱肉強食、強いものだけが生き残る。そう言われる
。しかし、強いものが競争相手の背後にこっそり忍び寄る、なんてことは現実にはあ
り得ない。
本文44pより抜粋
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著者はマイクロソフト、メルク、ヒューレット・パッカードなどをクライアントと
するコンサルティング会社「ベックウィス・パートナーズ」のCEOで自らマーケテ
ィングコンサルタント。
著者は業界価格、業界基準、業界常識には全く意味がないという。顧客が何を求め
、ブランドにどんなイメージを感じるか、そしてそれにふさわしいサービス価格を設
定するかで勝負が決まるという。
見えない商品であるサービスを売り込むにはモノのようなマーケティングは使えな
いということを教えれくれる。サービスの価格は高ければ高いほど何を顧客に伝え、
感じさせるのか。逆にサービス価格が安ければ安いほど顧客にどのようなイメージを
与えるのか。そのイメージの重要さを説いている。
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■◇『絶対できる!―Never Give Up!』
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【著者】川西 茂
【出版社】グラフ社
【発刊年月】2004年03月15日
【本体価格】1000円 (税込)
【ページ数】163p
【ISBN】4766208005
【購入】http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4766208005/ithouse-22
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不安や恐怖はこちらがおびえているとどんどん調子に乗って、こちらを攻めてくるの
です。でも、こっちが「このやろう!」「できる!」と思っていると、セミの抜け殻
のように実体を失ってしまうのです。
本文133pより抜粋
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著者はコヴィ・リーダーシップセンター・ジャパンの社長、フランクリン・コヴィ
ー・ジャパンの副社長を務めた人で、『7つの習慣』を翻訳した翻訳者。本書は『7
つの習慣』の主要ポイントに、著者の脱サラ経験とセミナー参加者の事例を織り交ぜ
たもの。
16年間のサラリーマン生活にピリオドを打って渡米した著者の経験、セミナー参
加者がセミナーに参加して得たもの、イメージをイメージに終わらせないためにやっ
ておくべきことなどが書かれている。
『7つの習慣』を実践してみた人たちの体験記とも読めるし、『7つの習慣』に書
けなかった「訳者あとがき」とも読める。どちらにせよ、『7つの習慣』と合わせて
読むべきものである。
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<= 編集後記 =>―――――――――――――――――――――――――――――――
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■◇「ぬけがら三兄弟」
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今の時期、木の根元などに十円玉くらいの大きさの穴があいている。アリの巣にし
ては大きいし、かなり奥までみえるから、デカイ何かが通ったのだろうと推測できる
。だが、一体何だろう。
人や犬によって踏み固められた散歩道にも、この穴があいている。足をとめて観察
してみたところ、蝉の抜け殻を大量に発見した。個体数にして、10匹以上はいる。
穴の数からして、20〜30匹が土の中から出てきたようだ。
手にとって蝉の抜け殻を観察してみると、蝉の口はストローのような形になってい
ることに気がついた。蚊の口のような形だ。いったいこれがどう機能するのか、よく
わからない。蝉は何を食っているのか、そもそも、捕食するのかどうかもよくわから
ない。
蝉、蝉、蝉と話題になるが、その生態はよくわかっていない。なにげなく聞こえて
くる蝉の声、その蝉の「謎」に新鮮な驚きを感じた。蝉だけではなく、身近なところ
にたくさんの「謎」が転がっている。それを「謎」と考えるか、考えないかの差は大
きい。
(平岩大樹=通訳翻訳館)
[編集後記は「館長室だより」として通訳翻訳館ウェブサイトに掲載しています]
◇編集後記(館長室だより:「ぬけがら三兄弟」をデジカメで撮影しました)
http://www.ithouse.net/japanese/tayori/20040804.htm
◇いままでの編集後記一覧(館長室)
http://www.ithouse.net/japanese/director.htm
<= 投稿募集 =>―――――――――――――――――――――――――――――――
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■◇「あなたからの投稿を掲載します」
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取り上げ多くの方々と情報共有するべく投稿原稿を幅広く取り上げております。応募
の資格は「通訳翻訳ビジネスレポート」の読者であればどなたでも応募いただけます
。
原稿内にはご自身のホームページの表記も認めますが、表記によるトラブルについ
ての責任は一切負いかねますのでご了承ください。なお、応募原稿全てを掲載したい
ところですが編集部が掲載を判断したものに限らせていただきます。
原稿は下記の体裁でお送りください。掲載の成否は1週間以内に必ずご連絡いたし
ます。採用させていただいた原稿は通訳翻訳館ウェブサイト「投稿コラム」に掲載し
「通訳翻訳ビジネスレポート」メールマガジンにも掲載させていただきます。なお将
来的に「投稿コラム」は出版物として出版する可能性もありますのであらかじめご了
承ください。
応募原稿体裁―「通訳」または「翻訳」をキーワードに政治・経済・文化などにつ
いてのあなたご自身のご意見を1行全角38字詰め、総字数1000字〜2000字(見出しを
含む)にまとめ、下記アドレスへお送りください。メールアドレスのみの匿名による
応募も受け付けますが会社名、氏名、メールアドレス、ホームページURLの表記を
ご希望の方は記入ください。
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いう文言を記入してください。
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