◆━2004/08/16 第0039号━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
◇◇通訳翻訳ビジネスレポート◇◇
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◇目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<投稿記事>
◆「通訳の心構え」高間一平(ドイツ語通訳者)
<書籍紹介>
◆『エピソードでつづる通訳ガイドの仕事』関山貞三(著)
◆『MADE IN JAPAN』盛田昭夫(著) 下村満子(訳)
◆『エスキモーが氷を買うとき』ジョン・スポールストラ(著)
宮本喜一(訳)
◆『人生心得帖』松下幸之助(著)
<編集後記>
◆「夏のありがたさ」平岩大樹(通訳翻訳館)
<投稿募集>
◆「あなたからの投稿を掲載します」
<= 投稿記事 =>―――――――――――――――――――――――――――――――
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■◇「通訳の心構え」
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ドイツからの投稿です。手前味噌ではないのですが、今回通訳としてまた添乗員と
してうれしい思いをしましたので報告します。ドイツのある都市が日本の都市と姉妹
都市関係にあります。昨年からこの都市の依頼で通訳と添乗員と世話係として仕事を
頂いていますが、今年は青少年交流の現地通訳として仕事をしました。
空港でのお迎えから観光、訪問、見学、夕食会すべてのお世話と、来られる前の企
画にも参加しています。市長挨拶の通訳は、形式どおり事前に下書きを頂きますので
適正な単語を下調べしておきます。市長が話す冗談を通訳するのは冷や汗ものですが
、両方の方がほぼ同じに笑ってくれ、冗談が的を得ていたときは本当に安心するので
した。
観光バスの運転手さんとその日のコ−スを参加者の状態とあわせて検討。市の担当
の方と調整して団長さんと合意の上で運転手に指示。観光が始まります。最初の観光
地の説明は10年前のままで、時間の関係で昔は説明していたところを省略していた
り、添乗員が説明できなければそのままです。
Neuschwanstein城の説明がそのとおりで、100回近く引率してい
る自分が少しつめた説明をし、その翌日はバイエルン州政府訪問です。近いうちにF
ussen観光局に意見をしておきます。バイエルン州政府は観光では訪問できませ
ん。なかでバイエルンの歴史、政治、経済の説明を受けたものにそのバックグラウン
ドをつけて通訳しました。
こういう時は参加者の質問で通訳が正しく通訳したかがわかるそうです。州政府の
担当の方が後日ある新聞社に私の記事を書くように進めてくれたのはこの通訳と、バ
イエルン民族衣装の着こなしが正しかった事に関心していたからだと説明してくれま
した。
通訳は依頼主の側にたってそちらを代表するような心構えで仕事にあたるべきだと
感じました。また団員の中に都会育ちの青年がハエを嫌って大袈裟な反応をしていた
ので、翌日市が企画した農家での見学と食事であまり失礼にならないよう気配りをし
た方がいいのではないかとのアドバイスも団長経由で出しました。これらも通訳とし
て気配りをした方が良いのではないでしょうか。
美術館見学も内部での説明を通訳するのですが、絵画芸術に関しても事前調査、ま
た今回は何度も行ったことのある美術館で館長さんも知り合いという幸運でした。そ
の後は自然見学で散策ですが、ここでの説明はまたまったく違い、地学、自然学、気
候などの知識がないとできません。
飽きはじめている参加者に遊びをかねて説明する現地説明員、その遊びの意図を通
訳するのはちょっと大変でした。翌日はバイオリンの町ミッテンバルドです。運転手
さんに道を指導しながら、途中にあるドイツ軍ベ−スはロバが使われていることで有
名などと、ちょっと話題をはずしてリラックス。
買い物も裏通りのバイオリン工作工房で、そのマイスターと写真を撮ったり、途中
でデジカメの部品が壊れれば、近くのお店にいって交換してもらったり、お別れ会で
はレストランとの打ち合わせ、司会、会計と無事全てを終了。ちょっとぐったり、翌
日は空港へ。
ルフトハンサのチェクイン担当者に全員がっかり。経験者風の年配の人に「事前に
言わなくとも8人ぐらいは団体として一角に集めて席を配分できるでしょ」とクレ−
ム。帰りのバスでは市長婦人、市関係者、青年代表と反省会。日本側との事前の話を
伝えたり次回への参考のための意見交換。市長さんへ挨拶をして次の仕事の約束を頂
いて家路にもどりました。
(高間一平=ドイツ語通訳者)
◇高間一平
1952年東京生まれ。通訳、添乗、業務仲介などを行なうドイツ語通訳者。現
在ドイツのレングリースに在住。http://www.takama.de takama@epost.de
[この記事は通訳翻訳館ウェブサイトにも掲載されています]
◇掲載記事
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◇いままでの記事一覧
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<= 書籍紹介 =>―――――――――――――――――――――――――――――――
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■◇『エピソードでつづる通訳ガイドの仕事』
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【著者】 関山 貞三
【出版社】大修館書店
【発刊年月】1994年7月15日
【本体価格】2520円 (税込)
【ページ数】386p
【ISBN】4469243485
【購入】http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4469243485/ithouse-22
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ガイドという仕事の魅力は、昨日勉強したことを今日試してみて、お客の反応でその
成果がすぐに分かることである。よければ自分の持ちネタとして、改良を加えながら
以後も使ってみるし、相手があくびをするようだったら捨ててしまえばいい。表現は
よくないが、日々、お客を実験台にして、自分の試作品をふるいにかけていくのであ
る。
本文21pより抜粋
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著者は通訳ガイド歴30年以上(執筆時)の通訳案内業者。1965年に通訳案内
業の免許取得後、外国人の国内観光ガイドや海外旅行のツアコンダクター、企業の業
務通訳、翻訳を行ってきた人。
本書は通訳ガイドという仕事はどういう仕事なのか、著者が引き受けたツアーガイ
ドのエピソードやガイド仲間の実話を紹介しながら通訳ガイドの魅力、資質、心得を
綴っている。
第一部ではガイド業界の変容、60歳ちかくになってもバリバリ働く同僚ガイド、
タバコ工場への査察通訳などのエピソードが紹介されている。第二部はガイド場面別
モデル対話集になっている。
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■◇『MADE IN JAPAN―わが体験的国際戦略』
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【著者】盛田 昭夫
【訳者】下村 満子
【出版社】朝日新聞
【発刊年月】1987年01月26日
【本体価格】1575円 (税込)
【ページ数】366p
【ISBN】4022556439
【購入】http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4022556439/ithouse-22
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言うまでのなく、われわれの経済活動はマーケット・メカニズムによって動いている
。自由経済は、適正な価格での売買から始まる。では適正価格とは何かと言えば、そ
れは需要と供給によって決まる。それが、自由経済の根本原則である。
本文320pより抜粋
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著者は井深大氏と共に東京通信工業(現ソニー)を設立した共同創業者で戦後日本
のエレクトロニクス産業を生み出した人物である。平成11年に死去するまで日本を
代表する国際派の経営者であった。
本書は著者の「履歴書」ではない。外国人、特にアメリカ人を読者対象として英語
で書かれたもので「ソニー」という日本企業の成長過程をとうして日本的経営思想、
日本社会の文化的特徴を知ってもらうために書かれている。
東京通信工業設立のいきさつ、ヒット商品「ウォークマン」の開発秘話、ソニーが
練った国際戦略、失敗した「ベータマックス」、ソニーの成長を支えた家族的経営の
強みなどに加えて、日米企業の文化比較から導き出された日米文化比較論が展開され
ている。
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■◇『エスキモーが氷を買うとき―奇跡のマーケティング』
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【著者】ジョン・スポールストラ
【翻訳】宮本 喜一
【出版社】きこ書房
【発刊年月】2002年05月20日
【本体価格】1680円 (税込)
【ページ数】290p
【ISBN】4877710809
【購入】http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4877710809/ithouse-22
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仕事を続けているうちに、いつの間にか、プロのスポーツチームは強ければマーケテ
ィングなど必要ないと思い込むようになる。この種の思い込みはビジネスにも共通し
ている。つまり、できのよい新製品を開発していれば、客が殺到するはずだといった
思い込みだ。こうした考えは間違いだ。
本文71pより抜粋
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著者は米国プロスポーツビジネス業界を中心にマーケティングとセールスを専門に
るコンサルタント。破綻寸前のプロバスケットボールチームやアイスホッケーチーム
を短期間に高収益チームに作り変えた実績を持っている。
本書は米国プロスポーツビジネスの舞台裏で活躍している著者が実際に実行し効果
を上げたマーケティング手法とセールス活動のエッセンスをまとめたもの。追い詰め
られ、危機に直面している企業に効く常識破れのマーケティングエッセンスが提示さ
れている。
広告予算やマーケティング予算に大金が使えない企業や比較的小規模のSOHOビ
ジネスにはもってこいのマーケティングアドバイスが詰まっている。スポーツビジネ
スがネタになっているが、業種や職種に関係なく応用できるエッセンスだろう。
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■◇『人生心得帖』
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【著者】松下 幸之助
【出版社】PHP研究所
【発刊年月】1984年09月12日
【本体価格】1229円 (税込)
【ページ数】110p
【ISBN】4569534112
【購入】http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569534112/ithouse-22
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やはり何ごとにおいても、ひとたび志をたてて事を始めた以上、少々うまくいかない
からとか失敗したからといって、簡単にあきらめてしまってはいけない。ときには失
敗し、志をくじかれることがあっても、めげることなく辛抱強く、地道な努力を重ね
ていくことが大切で、そうしてこそ初めて、物事をなし遂げることができるのではな
いでしょうか。
本文69pより抜粋
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著者は平成元年に死去した松下電器産業の創業者。わずかな資金で電球ソケットの
改良開発をはじめ、現在の松下電器をつくりあげた経営者である。その人生哲学は業
種を問わず数々の名経営者に支持され、いまも受け継がれている。
本書は松下幸之助が松下電器を経営していくなかで学び、体得した「人生の心得」
である。人生の意義とか目的は、けっして高尚で、むずかしいものではなく、日々の
営みのなかにあるものであり、自分自身でみつけだすものであると幸之助はいう。
自然の理に従い、無理をせず、素直な心で自分自身をみつめれば、必ずそこに自分
にとっての「成功」があり、「人生」があるはずだと。地位、名誉、財産、権力、他
人の生き方ではなく、自分の持ち味と特質に気づき、それを最大限に活かして生きる
ことが、本当の「成功」ではないだろうかと書き残している。
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■◇「夏のありがたさ」
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夏といえば海に行くのもいいし、山に行くのもいい。川だって気持ちがいい。近く
に海があったり、川があればいいが、なかなかそうもいかない。身近なところで、夏
という季節を楽しみ、味わってみるのも一つの手ではないだろうか。
数年前から、歩くことを心がけている。運動不足が気になることもあって、何かで
きないか考えたところ「歩くこと」になった。手軽に、無理せず、カネをかけず、適
度の負荷で続けられるものは「歩くこと」だった。
自転車をあまり使わず、歩いていける範囲なら積極的に歩く。ゆっくり歩いている
と、それまで気づかなかったたくさんの情報が目に飛び込んでくる。「ひまわり」も
その一つで、青空にむかって太く伸びた幹、あざやかな黄色の花びらに心を動かされ
た。
ねりまは暑く、まだ光化学スモッグ注意報が発令されている。身近なところで季節
を感じ、じっくりと味わってみると、いろいろな発見や不思議なものに出会える。冬
の頃を思い出してみると、夏のありがたさがよくわかる。
(平岩大樹=通訳翻訳館)
[編集後記は「館長室だより」として通訳翻訳館ウェブサイトに掲載しています]
◇編集後記(館長室だより:「ひまわり」をデジカメで撮影しました)
http://www.ithouse.net/japanese/tayori/20040816.htm
◇いままでの編集後記一覧(館長室)
http://www.ithouse.net/japanese/director.htm
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■◇「あなたからの投稿を掲載します」
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「通訳翻訳ビジネスレポート」ではメディアが取り上げない通訳翻訳業界の現状を
取り上げ多くの方々と情報共有するべく投稿原稿を幅広く取り上げております。応募
の資格は「通訳翻訳ビジネスレポート」の読者であればどなたでも応募いただけます
。
原稿内にはご自身のホームページの表記も認めますが、表記によるトラブルについ
ての責任は一切負いかねますのでご了承ください。なお、応募原稿全てを掲載したい
ところですが編集部が掲載を判断したものに限らせていただきます。
原稿は下記の体裁でお送りください。掲載の成否は1週間以内に必ずご連絡いたし
ます。採用させていただいた原稿は通訳翻訳館ウェブサイト「投稿コラム」に掲載し
「通訳翻訳ビジネスレポート」メールマガジンにも掲載させていただきます。なお将
来的に「投稿コラム」は出版物として出版する可能性もありますのであらかじめご了
承ください。
応募原稿体裁―「通訳」または「翻訳」をキーワードに政治・経済・文化などにつ
いてのあなたご自身のご意見を1行全角38字詰め、総字数1000字〜2000字(見出しを
含む)にまとめ、下記アドレスへお送りください。メールアドレスのみの匿名による
応募も受け付けますが会社名、氏名、メールアドレス、ホームページURLの表記を
ご希望の方は記入ください。
原稿の成否に関するお問い合わせ、及び成否の理由についてのお答えは一切できま
せんのでご承知おきください。お手数ですが、送信メールの件名には必ず「投稿」と
いう文言を記入してください。
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