BackNumber
通訳翻訳館
マガジン概要 マガジン登録 マガジン解除 マガジン見本 よくある質問 登録数状況 登録者属性


通訳翻訳ビジネスレポート No.49 2005/02/10 投稿:ギアを上げろ
Mag2 Logo
通訳翻訳ビジネスレポート』メールマガジンで新着情報をお届けします(登録無料)


◆━2005/02/10 第0049号━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆

◇◇通訳翻訳ビジネスレポート◇◇
    http://www.ithouse.net/
◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆


◇目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

<投稿記事>
 ◆「ギアを上げろ」平岩大樹(通訳翻訳館)

<書籍紹介>
 ◆『学歴無用論』盛田昭夫(著)
 ◆『創造力の育て方・鍛え方』江崎玲於奈(著)

<館長室だより>
 ◆「環境破壊と保全」平岩大樹(通訳翻訳館)

<投稿募集>
 ◆「あなたからの投稿を掲載します」


<= 投稿記事 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

■■………………………………………………………………………………………………
■◇「ギアを上げろ」
■■………………………………………………………………………………………………

 歯の数が多い方にじゃない、歯の数が少ない方にだ。いまの翻訳出版は、歯数が異
常に多い「巨大な歯車」でまわっている。回転数だけをみれば「レッドゾーン」まで
上がっているが、本来のスピードとパワーが出ていない。

 歯数が多いギアを使っているから、簡単に動かせる。歯数が少ない方にギアシフト
しないから、一部の読者は原書に乗り換えた。少々わからない単語があろうが、いま
いちよくわからない箇所があろうが、インチキ翻訳を読むよりましだ。そう考えたに
違いない。

 危険な水準にまで回転数を上げているから、やかましい騒音だけが聞こえてくる。
音量はたいしたものだが、ギアが軽すぎるから三輪車並みのスピードしか出ていない
。翻訳書を手にとっても、三流翻訳書ばかりでは誰も買わなくなる。あたりまえだ。

 どんなに出版点数を上げてみても、歯数が多いギアに入れているからスピードとパ
ワーが生まれない。歯数が少ない方にギアを上げれば、出版点数は落ちてスピードと
パワーが生まれるのに、それをやらない。

 ギアを上げれば、権威づけのための翻訳はできなくなる。そうなれば、ニセ学者た
ちは「学者」ではなくなる。学者とは何か、学問とは何かが問われるようになり、翻
訳学問は三流学問に転落する。だから、ニセ学者たちは「みせかけの権威」をつかっ
てギアシフトを封印してきた。

 ところが、「みせかけの権威」に我慢ならない翻訳家がギアを上げた。ささやかな
反攻だったが、確実にギアは上がっていった。当然、「学術的に耐えない」などとい
うレッテルを貼られ、徹底的にこきおろされた。ギアを上げた翻訳家の何人かが潰さ
れ、何人かが執念で生き残った。

 ギアを上げ続ける勇気と覚悟をもった翻訳家は、さらに加速し「みせかけの権威」
を突き抜けた。ニセ学者からぶん取り返したギアを「無限変速機」につけかえてスピ
ードとパワーを高めることに成功したからだ。

 この10年間で、その差が大きくついた。ギアを上げ続けた翻訳家のスピードとパ
ワーにニセ学者とインチキ翻訳者はついてこれなくなった。ニセ学者とインチキ翻訳
者が脱落していく過程で、ニセ翻訳とインチキ翻訳が露呈することになった。

 追い討ちをかけるように少子高齢社会が到来し、「みせかけの権威」を演出するた
めの奇劇は受け入れられなくなった。権威づけのためにやった翻訳が、アダとなって
「権威はがし」に向かおうとは皮肉なものだ。

 「真の学問」を探求していれば、こんなみっともない事態にはならなかっただろう
。アカデミズムという「ぬるま湯」につかりながら、お互いの背中をこすり合い、ニ
セ翻訳を「実績」などといって数えているから、こういう結果を招くのである。

(平岩大樹=通訳翻訳館)

 ◇平岩大樹
  1998年10月、「通訳翻訳館」の前身となった非営利求人求職サイト「個人
  翻訳通訳館」を立ち上げる。2000年に同サイトを「通訳翻訳館」に名称変更
  するとともに「通訳」と「翻訳」に特化した求人求職サイトを始める。現在、通
  訳翻訳館の館長。http://www.ithouse.net


[この記事は通訳翻訳館ウェブサイトにも掲載されています]

 ◇掲載記事
  http://www.ithouse.net/japanese/column/doc/20050210.htm

 ◇いままでの記事一覧
  http://www.ithouse.net/japanese/column/box.htm

 ◇記事を投稿する
  http://www.ithouse.net/japanese/column/send.htm


<= 書籍紹介 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

■■………………………………………………………………………………………………
■◇『学歴無用論』
■■………………………………………………………………………………………………

【著者】盛田 昭夫
【出版社】朝日新聞社
【発刊年月】1987年05月20日
【本体価格】525円 (税込)
【ページ数】293p
【ISBN】4022604158
【購入】http://www.ithouse.net/japanese/ac/bk_4022604158.htm

──────────────────────────────────────
自分を開発し、発展してゆくには、他人と同じ考え、同じ行動をしていてはならない
。協調性を要求する経営者がいようとも、課長とそりが合わずとも、怖れることはな
い。どしどし個性を打ち出すべきである。それが本人のためであり、ひいては組織の
ためになることは間違いないのである。
                           本文107pより抜粋
──────────────────────────────────────

 著者は井深大氏と共に東京通信工業(現ソニー)を設立した共同創業者で戦後日本
のエレクトロニクス産業をつくりだした名経営者のひとり。本書は米国ソニーの設立
経験をもとに日米の雇用制度、雇用慣行、働き方の違いを指摘したものである。

 労働力が不足し、よりより待遇と賃金と求めて職場を自由に移動するという考え方
は過去の日本にもあったと著者はいう。明治と大正の日本は、一つの技能や技術を徹
底的に磨きあげた実力社会であり、世界大戦をへて大量生産、大量消費を実現するた
めにひろまった雇用制度が終身雇用、年功序列なのだと指摘する。

 どんなにアメリカが優れているからといって崇拝したり、敷写にしたり、鵜呑みに
するような態度や姿勢は危険であり、大きな間違いだと警告する。日本の歴史的土壌
を理解した上で、学ぶべきところは堂々と取り入れ、より望ましい日本社会をつくり
かえていくことが重要なのだと書き残している。

 ◇そのほかのオススメ選書をみる
   http://www.ithouse.net/japanese/bookshop.htm


■■………………………………………………………………………………………………
■◇『創造力の育て方・鍛え方』
■■………………………………………………………………………………………………

【著者】江崎 玲於奈
【出版社】講談社
【発刊年月】1997年02月07日
【本体価格】1680円 (税込)
【ページ数】222p
【ISBN】4062079062
【購入】http://www.ithouse.net/japanese/ac/bk_4062079062.htm

──────────────────────────────────────
自分を知るということが、より豊かな人生を送るための第一歩です。個性的な生き方
、優れた創造性はそこから生まれてくるということを、私の経験則からもここでは強
調しておきたいと思います。
                           本文156pより抜粋
──────────────────────────────────────

 著者は東京通信工業(現ソニー)にてエキサ・トンネルダイオードを発明し、19
73年のノベール物理学賞を受賞した理学博士。ノーベル賞の受賞後は、米国IBM
中央研究所に移り、1992年に帰国して筑波大学学長、2000年から芝浦工業大
学の学長を務めている。

 著者は、人間が持つ個性なり創造性を発揮する上で最も重要な要素は「本物を見抜
く感性」であると指摘している。物事を正しく見極め、本物を捉える感性を養ってい
なければ、とうてい独創的な仕事などできないのだと。

 より豊かな人生を送るための第一歩が、自分を知ることであり、自分を知らずして
個性的な生き方、優れた創造性など生まれてこない。だから、一人一人が持って生ま
れた素質を自覚し、その素質をされに磨きあげ、自分にしか歩めない道をゆけばいい
。各人が自主独立の精神と勇気をもって日本を支配してきた古いパラダイムを変えな
ければいけないとも綴っている。

 ◇そのほかのオススメ選書をみる
   http://www.ithouse.net/japanese/bookshop.htm


<= 館長室だより =>―――――――――――――――――――――――――――――

■■………………………………………………………………………………………………
■◇「環境破壊と保全」
■■………………………………………………………………………………………………

 この10年で練馬の自然環境はずいぶんよくなった。石神井川にコイが放流されて
いるのに気がついたのは5年くらい前だ。20年前、この川はドブ川だった。水は濁
り、奇妙な泡がぷかぷかと流れ、広範囲に悪臭が漂っていた。

 いまでも、ペットボトルやビニール傘などの「小物」が流れているが、ドブ川だった
頃はもっとひどい。 冷蔵庫、古タイヤ、ゴミ入りゴミ袋が流れていた。当然、生き
物の姿など見たこともなかったし、野鳥なども近寄らなかった。

 水質の改善、川底の掃除、水草の設置、コイの放流など区民の知らないところで情
熱に燃えた職員、技術者がいた。表に出てくることはないが、そういう人たちがいた
からこそ生き物が住める川に戻った。

 今年は、コサギが餌探しをしているところを発見した。カモはコイが放流され始め
た5年前から見られるようになったものの、コザギはいなかった。コサギの飛来は4
0年ぶりか、50年ぶりになるのかもしれない。そう思った。

(平岩大樹=通訳翻訳館)


[館長室だよりは通訳翻訳館ウェブサイトに掲載しています]

 ◇館長室だより(「石神井川のコサギ」などをデジカメで撮影しました)
  http://www.ithouse.net/japanese/tayori/20050202.htm

 ◇いままでの館長室だより一覧(館長室)
  http://www.ithouse.net/japanese/director.htm


<= 投稿募集 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

■■………………………………………………………………………………………………
■◇「あなたからの投稿を掲載します」
■■………………………………………………………………………………………………

 「通訳翻訳ビジネスレポート」ではメディアが取り上げない通訳翻訳業界の現状を
取り上げ多くの方々と情報共有するべく投稿原稿を幅広く取り上げております。応募
の資格は「通訳翻訳ビジネスレポート」の読者であればどなたでも応募いただけます


 原稿内にはご自身のホームページの表記も認めますが、表記によるトラブルについ
ての責任は一切負いかねますのでご了承ください。なお、応募原稿全てを掲載したい
ところですが編集部が掲載を判断したものに限らせていただきます。

 原稿は下記の体裁でお送りください。掲載の成否は1週間以内に必ずご連絡いたし
ます。採用させていただいた原稿は通訳翻訳館ウェブサイト「投稿コラム」に掲載し
「通訳翻訳ビジネスレポート」メールマガジンにも掲載させていただきます。なお将
来的に「投稿コラム」は出版物として出版する可能性もありますのであらかじめご了
承ください。

 応募原稿体裁―「通訳」または「翻訳」をキーワードに政治・経済・文化などにつ
いてのあなたご自身のご意見を1行全角38字詰め、総字数1000字〜2000字(見出しを
含む)にまとめ、下記アドレスへお送りください。メールアドレスのみの匿名による
応募も受け付けますが会社名、氏名、メールアドレス、ホームページURLの表記を
ご希望の方は記入ください。

 原稿の成否に関するお問い合わせ、及び成否の理由についてのお答えは一切できま
せんのでご承知おきください。お手数ですが、送信メールの件名には必ず「投稿」と
いう文言を記入してください。

 随時募集いたしております、奮ってご応募ください。 
 投稿先メールアドレス:column@ithouse.net


┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
◆発行者:ウッドロック 通訳翻訳館
〒1770035 東京都練馬区南田中4丁目26番地11号
◆ホームページ
http://www.ithouse.net/
◆メルマガ新規登録
http://www.ithouse.net/japanese/mmn/registration.htm
◆メルマガ配信停止
http://www.ithouse.net/japanese/mmn/remove.htm
◆ご意見・ご感想など
mm@ithouse.net

………………………………通訳翻訳館が発行するメルマガ………………………………

「通訳/翻訳のお仕事発見!」〜求人情報配信メルマガ〜
http://www.ithouse.net/japanese/mm/registration.htm
「通訳翻訳サービス提供者発見!」〜サービスプロフィール配信メルマガ〜
http://www.ithouse.net/japanese/mmw/registration.htm
「翻訳家で選ぶビジネス翻訳書」〜ビジネス翻訳書の紹介メルマガ〜
http://www.ithouse.net/japanese/mmt/registration.htm

mag2
ID:0000090656
melma
ID:m00064026
Macky
ID:ithouse-mmn
カプライト
ID:6241

★上記のメールマガジン発行システムを利用して発行しています。
★配信解除依頼は受け付けておりません。解除はご自身でお願い致します。
★記事および内容をいかなる形式であれ許可なく転載することを禁じます。
★Copyright (c) 2005 ウッドロック 通訳翻訳館 All Rights Reserved.
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

通訳翻訳ビジネスレポート』メールマガジンで新着情報をお届けします(登録無料)

Powered byまぐまぐ
記事一覧




マガジン概要 マガジン登録 マガジン解除 マガジン見本 よくある質問 登録数状況 登録者属性



You are here > Home > メルマガ > 通訳翻訳ビジネスレポート > マガジン見本 > 2005/03/10配信

通訳翻訳館


ホーム新着求人通訳求人翻訳求人求人掲載メルマガコラムブログTwitter館長室広告免責運営
通訳/翻訳のお仕事発見!通訳翻訳サービス提供者発見!通訳翻訳ビジネスレポート翻訳家で選ぶビジネス翻訳書
フリーランスの書架ビジネスセンスを磨く本独立開業のための本仕事獲得のための本キャリアデザインの本
プロフェッショナルの書架通訳者が書いた本翻訳者が書いた本日本語を磨く本異文化を学ぶ本