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通訳翻訳ビジネスレポート No.51 2005/03/10 投稿:文明の遺伝子
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◆━2005/03/10 第0051号━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆

◇◇通訳翻訳ビジネスレポート◇◇
    http://www.ithouse.net/
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◇目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

<投稿記事>
 ◆「文明の遺伝子」平岩大樹(通訳翻訳館)

<書籍紹介>
 ◆『21世紀へ』盛田昭夫(著)
 ◆『日本の経営 〔新訳版〕』ジェームス・C・アベグレン(著) 山岡洋一(訳)

<館長室だより>
 ◆「節目の年」平岩大樹(通訳翻訳館)

<投稿募集>
 ◆「あなたからの投稿を掲載します」


<= 投稿記事 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

■■………………………………………………………………………………………………
■◇「文明の遺伝子」
■■………………………………………………………………………………………………

 古典的名著の新訳復刊ラッシュがはじまった。長いこと古典には「時代遅れのモノ
」や「役に立たないモノ」などいったニセラベルが貼られてきた。なぜか、それは先
人たちの英知の所在を隠し、ぼかすことで自らを権威づけしてきた人間がいるからだ


 本来なら、「古典ブーム」などということは起こってはならない異常事態である。
年齢、性別、学歴、能力、資産、人脈に関らず、多くの人びとに共有され、親しまれ
ていれば「古典ブーム」などということにはならない。「古典ブーム」という言葉の
背後には、権威づけのために行なわれた過去との断絶がある。

 古典は「古い」から古典なのではない。古典は名作のなかの名作、時のふるいにか
けられて生き残ったものが古典である。時代や流行に左右されない魅力、価値、個性
、特性、真理を持っているから古典になる。

 50年前だろうが、100年前だろうが、500年前だろうが、1000年前だろ
うが、古典は古くならない。それが、古典というものである。しかも、50年後、1
00年後、500年後、1000年後も古典は古典であり続ける。

 時代から時代へ、世代から世代へ、文明から文明へと受け継がれてゆくものが古典
であり、文明の遺伝子が古典の中につまっている。とはいえ、生命体の遺伝子と同じ
ように、遺伝子の乗り物となる言葉にも寿命がある。

 言葉のなかには、寿命の長い言葉もあれば、寿命の短い言葉もある。人間と同じよ
うに、長生きすればするほど言葉にも機能障害が出てくる。言葉の寿命がつきれば「
死語」となって辞書という名の墓場に葬られる。

 乗り物である言葉の寿命がつきれば、古典は古典としての輝きを失う。いくら名作
のなかの名作であっても、時代や流行に左右されないだけの魅力、価値、個性、特性
、真理を持っていたとしても、言葉が死ねば古典も死ぬ。

 古典が死ねば、現在と過去との連続性が断たれるだけでなく、現在位置を指し示す
歴史的座標軸も消えることになる。さいわい、言葉が死んでも古典の原典が消滅しな
いかぎり、古典は何度でも復活することができる。

 先人たちは、適正な時期に適性を持った人間を使って古典を蘇生させてきた。いう
までもなく、これからも適正な時期に適性を持った人間によって蘇生術が繰り返され
る。なぜなら、現在と過去を連結し、先人たちとの一体感を生み出しながら未来社会
を創造する源泉が、古典の中にあるからだ。
 
 古典が古典として光り輝やくためには、生きた言葉を操る人間が必要になる。生き
た言葉によって古典が復活すれば、先人たちとの一体感が生まれるだけでなく、現在
位置を指し示す歴史的座標軸が明らかになる。

 死語で古典を殺し、古典を「時代遅れのモノ」や「役に立たないモノ」と思い込ま
せ、自らを権威づけしてきた「案内人」。アカデミズムという仮面をかぶった「案内
人」に、いつまでも古典の殺生を委ねていてはならない。古典が光り輝やけば、案内
人がいなくても道が見えるようになる。

(平岩大樹=通訳翻訳館)

 ◇平岩大樹
  1998年10月、「通訳翻訳館」の前身となった非営利求人求職サイト「個人
  翻訳通訳館」を立ち上げる。2000年に同サイトを「通訳翻訳館」に名称変更
  するとともに「通訳」と「翻訳」に特化した求人求職サイトを始める。現在、通
  訳翻訳館の館長。http://www.ithouse.net


[この記事は通訳翻訳館ウェブサイトにも掲載されています]

 ◇掲載記事
  http://www.ithouse.net/japanese/column/doc/20050310.htm

 ◇いままでの記事一覧
  http://www.ithouse.net/japanese/column/box.htm

 ◇記事を投稿する
  http://www.ithouse.net/japanese/column/send.htm


<= 書籍紹介 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

■■………………………………………………………………………………………………
■◇『21世紀へ』
■■………………………………………………………………………………………………

【著者】盛田 昭夫
【出版社】ワック
【発刊年月】2000年11月21日
【本体価格】1890円 (税込)
【ページ数】385p
【ISBN】4898310206
【購入】http://www.ithouse.net/japanese/ac/bk_4898310206.htm

──────────────────────────────────────
いつも前進するためには、他人の踏んでいない道を進まねばならない。他人の踏んで
いない道を進むためには、他人の教えをそのままやっていたのでは間に合わない。他
人の教えを受けても、その上に自分の知恵を加えて、自分の道を切り拓かねばならな
い。
                           本文85pより抜粋
──────────────────────────────────────

 著者は井深大とともに東京通信工業(ソニー)を設立した共同創業者で、米国ソニ
ーをゼロからつくりあげた経営者。本書は、1960年代から90年代にかけて執筆
された著者の論文やインタビュー記事を一冊にまとめたものである。

 ビジネスとは自由競争を前提としたものであり、闘いを前提としているものである
と著者はいう。競争に勝ち続けるには、自らの特徴というものを知り、その特徴を毎
日磨きあげ、向上させていかねばならないのだと。

 優秀な商品であっても、自らマーケットをつくりださなければ売れない。信用を勝
ちとり、ブランドを確立できなければ厳しい競争に打ち勝てない。企業間の競争とは
、創造力の競争であり、知恵の競争でもある。画期的な新技術や新製品は、この競争
から生まれるものであり、価格の競争からは生まれにくいと書き残している。

 ◇そのほかのオススメ選書をみる
   http://www.ithouse.net/japanese/bookshop.htm


■■………………………………………………………………………………………………
■◇『日本の経営 〔新訳版〕』
■■………………………………………………………………………………………………

【翻訳家】山岡 洋一
【著者】ジェームス・C・アベグレン
【出版社】日本経済新聞社
【発刊年月】2004年12月10日
【本体価格】2310円 (税込)
【ページ数】211p
【ISBN】4532311896
【購入】http://www.ithouse.net/japanese/ac/bk_4532311896.htm

──────────────────────────────────────
日本の社会制度は異例なほどの持続性をもっており、第二次世界大戦で完全に敗北し
たときの反応によってもこの持続性があらためて証明され、注目されたが、これは日
本人がもつ神秘的な適応能力の結果ではない。さまざまな変化があっても、社会の継
続性という基礎が維持されていることの結果なのである。
                           本文181pより抜粋
──────────────────────────────────────

 本書は1958年に翻訳出版された『日本の経営』の新訳版で、文化と企業組織の
あり方にはどのような関係があるのかを指摘したものである。日米の企業組織を比べ
、決定的な違いがどこにあり、なぜ違うのかを明らかにしている。

 日本の経営制度が持つ強みとは、日本の伝統的な習慣、態度、文化であり、他国に
はない日本独自のものにあるのだと著者はいう。日本が工業化に成功したのも、経済
力を高めたのも、根本の独自性を変えることなく、さらに磨きをかけた結果なのだと


 日米ともに、それぞれがつくりあげてきた文化、歴史、制度は違う。それぞれが、
それぞれのやり方で世界環境に適応しているのであって、各国の底流にある独自性を
無視して他国を真似れば社会は混乱し、弱体化する。各国の独自性に基づいて社会は
再調整、再構築されるのであって、企業組織も同じだと語っている。

 ◇そのほかのオススメ選書をみる
   http://www.ithouse.net/japanese/bookshop.htm


<= 館長室だより =>―――――――――――――――――――――――――――――

■■………………………………………………………………………………………………
■◇「節目の年」
■■………………………………………………………………………………………………

 黄梅につづき紅梅が咲きはじめた。あじさいの枝にも、新芽が出はじめた。三宝寺
池の水辺観察園、鮮やかな新緑がつきはじめた。まだまだ寒いし、雪が降ることもあ
る。それでも、植物たちは冬という季節から春にむかって動き出している。

 身近なところを、じっくりとよく観察してみれば、土の中からいろいろな植物の新
芽が出てきている。まだ頭を出しかけているもの、立派な茎に成長しているもの、茎
が伸びて花を咲かせているもの、なんだか賑やかになってきた。昆虫たちは、まだ目
覚めていないようだが。

 これから、卒業式や入学式などといった各種の儀式やイベントが行なわれるように
なる。今年は、いろいろな意味で節目の年だと言われている。日露通商条約から15
0年、日露戦争から100年、大東亜戦争から60年、日韓基本条約から40年、た
しかに節目の年だ。

 しかも、それぞれに先送りされてきた問題がある。ある意味、時間が解決するとい
う考え方があっただろう。忘れられた事実、封殺された真実、消された証拠や人間、
日本という国は何をやったのか、徹底的な歴史検証と自己反省をしなければならない
時がきている。そう思った。

(平岩大樹=通訳翻訳館)


[館長室だよりは通訳翻訳館ウェブサイトに掲載しています]

 ◇館長室だより(「あじさいの新芽」などをデジカメで撮影しました)
  http://www.ithouse.net/japanese/tayori/20050304.htm

 ◇いままでの館長室だより一覧(館長室)
  http://www.ithouse.net/japanese/director.htm


<= 投稿募集 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

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■◇「あなたからの投稿を掲載します」
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