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通訳翻訳ビジネスレポート No.62 2005/08/25 投稿:信頼できる翻訳家
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◆━2005/08/25 第0062号━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆

◇◇通訳翻訳ビジネスレポート◇◇
    http://www.ithouse.net/
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◇目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

<投稿記事>
 ◆「信頼できる翻訳家」平岩大樹(通訳翻訳館)

<書籍紹介>
 ◆『英語と英国と英国人』吉田健一(著)
 ◆『気になる部分』岸本佐知子(著)

<館長室だより>
 ◆「緑の香り」平岩大樹(通訳翻訳館)

<投稿募集>
 ◆「あなたからの投稿を掲載します」


<= 投稿記事 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

■■………………………………………………………………………………………………
■◇「信頼できる翻訳家」
■■………………………………………………………………………………………………

 信頼できる医師を持つのと同じように信頼できる翻訳家を持つことは大事だと、私
は考えている。信頼できる翻訳家を持てば、何を読み、何を捨てるべきか、自ずとみ
えてくるようになるからだ。一流の翻訳家に出会えば、読書の質は格段に向上し、「
生きた日本語」の語感も鋭くなる。

 信頼できる翻訳家は、信頼できる出版編集者を持っている。その信頼できる出版編
集者には、信頼できる出版人脈がある。同じように、一流の翻訳家には、一流の出版
編集者がついている。一流の出版編集者には、一流の出版人脈がある。だから、一流
の翻訳家をみつければ、一流の出版人脈を活用することができるようになる。

 それでは、誰が一流の翻訳家なのかということになると、いまのところ明確な基準
や、指標はない。雑誌やメディアによく取り上げられているとか、大学の教授だから
とか、スクール関連産業のカリスマだからといって、翻訳家として「一流」かどうか
はわからない。

 ではどうすればいいのか。あたりまえのことだが、翻訳書を読むしかない。インチ
キ翻訳、トンデモ翻訳、三流翻訳を読まずして、一流の翻訳作品のすごさ、すばらし
さ、感動を味わうことはできない。

 原著者の心を踏みつぶし、クズに変わり果てた名著を何冊も読まされれば、一流の
翻訳家が誰で、一流の翻訳作品が何なのか知りたくなる。インチキ翻訳、トンデモ翻
訳、三流翻訳で味わった失望と怒りのエネルギーを一流の翻訳家をみつけるためのエ
ネルギーに変換すれば、思ったより簡単にみつかる。

 乱読、積読の繰り返すうちに、信頼できる翻訳家が誰で、信頼できないインチキ翻
訳者が誰なのか分かるようになる。意識してその違いを読み込めば、数十冊でその違
いがみえてくるかもしれない。語感に敏感で、肩書きや権威に目を奪われなければ、
わずか数冊でわかるようになるのかもしれない。

 とはいえ、インチキ翻訳、トンデモ翻訳、三流翻訳ばかりを読んでいると、頭の方
がおかしくなってきて翻訳書など投げ捨てたくなる。そこで、翻訳家から尊敬される
翻訳家、翻訳家の中の翻訳家といわれる翻訳家とその代表的な翻訳作品を一冊だけ紹
介しておこう。

 翻訳家、仁平和夫が翻訳した『トム・ピーターズの起死回生』。この作品のすばら
しいところは、作品内容はもちろん、新しい翻訳スタイルをつくりあげたところにあ
ると、私は考えている。

 新しいタイプの翻訳書には、仁平和夫の翻訳スタイルに影響を受けているものが多
く、仁平和夫がつくりだした独特の訳語や言い回しが、そのまま出てくる翻訳作品だ
ってある。

 翻訳家、仁平和夫の翻訳作品を読んでおけば、ひとつの判断基準ができる。インチ
キ翻訳、トンデモ翻訳、三流翻訳がどんなにひどい翻訳なのかを知りたければ、仁平
和夫の翻訳作品と比べてみればいい。

 雑誌やメディアによく取り上げられている翻訳家、大学教授でマルチタレントだと
いう翻訳家、スクール関連産業のカリスマ翻訳家の作品と仁平和夫の作品を比較して
みればいい。インチキ翻訳、トンデモ翻訳、三流翻訳のドロ沼から抜け出せば、新た
な世界が目の前に広がっている。そう、そこは「生きた日本語」の世界だ。

(平岩大樹=通訳翻訳館)

 ◇平岩大樹
  1998年10月、「通訳翻訳館」の前身となった非営利求人求職サイト「個人
  翻訳通訳館」を立ち上げる。2000年に同サイトを「通訳翻訳館」に名称変更
  するとともに「通訳」と「翻訳」に特化した求人求職サイトを始める。2000
  年から通訳翻訳館の館長。http://www.ithouse.net


[この記事は通訳翻訳館ウェブサイトにも掲載されています]

 ◇掲載記事
  http://www.ithouse.net/japanese/column/doc/20050825.htm

 ◇いままでの記事一覧
  http://www.ithouse.net/japanese/column/box.htm

 ◇記事を投稿する
  http://www.ithouse.net/japanese/column/send.htm


<= 書籍紹介 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

■■………………………………………………………………………………………………
■◇『英語と英国と英国人』
■■………………………………………………………………………………………………

【著者】吉田 健一
【出版社】講談社
【発刊年月】1992年05月10日
【本体価格】1260円 (税込)
【ページ数】331p
【ISBN】4061961772
【購入】http://www.ithouse.net/japanese/ac/bk_4061961772.htm

──────────────────────────────────────
英国と英国の文化に対する曾ての我々の態度を端的の物語っているのは、紳士という
翻訳語である。誰も紳士というものがどんなものか知っているものはなかったし、又
、「日本の紳士」などと連用される時、知れる訳もなかった。
                           本文120pより抜粋
──────────────────────────────────────

 著者は1977年に死去した翻訳家で、評論家、小説家でもあった人。代表的な著
書に『英国の文学』、『ヨオロッパの世紀末』があり、翻訳作品には名訳と評価され
るデフォーの『ロビンソン漂流記』、アン・モロウ・リンドバーグの『海からの贈物
』がある。

 本書は、言語学や英語学などといった研究対象としての英語ではなく、生きた言葉
としての英語とは何なのかを指摘したもの。生きた言葉で書かれた英国の文学、生き
た言葉によってつくられた英国の文化、生きた言葉を話す英国人にはどんな特徴があ
るのかを書き残している。

 英国の鉄道、公園、酒場にはじまり、ウィスキー、紅茶、菓子、料理など、英国人
がつくりあげてきた建物、制度、習慣、文化の中心にはどのような思想が埋もれてい
るのか、英国特有の気候や風土が英国人にどのような影響を与えきたのかを綴ってい
る。

 ◇そのほかのオススメ選書をみる
   http://www.ithouse.net/japanese/bookshop.htm


■■………………………………………………………………………………………………
■◇『気になる部分』
■■………………………………………………………………………………………………

【著者】岸本 佐知子
【出版社】白水社
【発刊年月】2000年09月10日
【本体価格】1575円 (税込)
【ページ数】199p
【ISBN】4560049335
【購入】http://www.ithouse.net/japanese/ac/bk_4560049335.htm

──────────────────────────────────────
私もまた、夜に活動する生き物だ。ことに翻訳の仕事をするようになってからは、完
全に夜の世界の住人になってしまった。そういう性分なのだろう、日のあるうちより
も集中できるし、事物を包みこむ親密な感じにほっとする。それに、夜起きていると
得をすることもある。
                           本文121pより抜粋
──────────────────────────────────────

 著者はニコルソン・ベイカー『中二階 』、ジャネット・ウィンターソン 『さくら
んぼの性は』など英米文学を中心に30点ちかくの翻訳作品をもつ1960年生まれ
の翻訳家。

 本書は『翻訳の世界』、『ふらんす』などの雑誌に連載された著者の記事を一冊に
まとめたものになっている。いじめられっ子の幼稚園時代からはじまり、軽い妄想癖
があらわてくる小中学校時代、大手の洋酒メーカーに入社してから退社するまでの道
のりが語られている。

 第4章の「翻訳家の生活と意見」では、愛用する辞書のこと、作家ニコルソン・ベ
イカーとの出会い、『もしもし』の翻訳で苦悩した訳語などの話しが出てくる。面白
いのは、「翻訳家に向かない趣味」や「私の健康法」など私生活面も具体的に書いて
いるところ。

 ◇そのほかのオススメ選書をみる
   http://www.ithouse.net/japanese/bookshop.htm


<= 館長室だより =>―――――――――――――――――――――――――――――

■■………………………………………………………………………………………………
■◇「緑の香り」
■■………………………………………………………………………………………………

 「緑の香り」といえば、「花の香り」、「木の香り」、「レモンの香り」とくる。
トイレなどで活躍する消臭剤、芳香剤の商品名に多いし、ドラッグストアーにいけば
それ専用のコーナーもある。だから、「緑の香り」と書かれている新聞記事を読んだ
とき、場違いのような感覚がした。

 「緑の香り」にリラクゼーション効果があるとか、慢性疲労回復に効果があると書
かれていたので、意味するところがわかったものの、「ああ、あの感覚」としかいい
ようがない。言葉で説明すると長くなるものだから、「緑の香り」とやって丸投げす
るほうが便利というか、効果的なのだろう。

 「緑の香り」といっても、緑じゃない香りもする。土の香りだってするし、木の香
りだってする、野草の香りだってするし、甘い香りだってする。香りだけじゃなくて
、緑色という色も関係があるだろうし、風の流れや木の葉のざわめきだって関係があ
るに違いない。

 ちょうど一年前、「マイナスイオンがいい」といって、マイナスイオン発生なんと
か機みたいのがはやっていた。今年のトレンドは「緑の香りをつくる××機」みたい
のが開発され、売れるのだろうか。そんなことを思った。

(平岩大樹=通訳翻訳館)


[館長室だよりは通訳翻訳館ウェブサイトに掲載しています]

 ◇館長室だより(「三宝寺池のみどり」などをデジカメで撮影しました)
  http://www.ithouse.net/japanese/tayori/20050729.htm

 ◇いままでの館長室だより一覧(館長室)
  http://www.ithouse.net/japanese/director.htm


<= 投稿募集 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

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■◇「あなたからの投稿を掲載します」
■■………………………………………………………………………………………………

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ます。採用させていただいた原稿は通訳翻訳館ウェブサイト「投稿コラム」に掲載し
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