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■通訳/翻訳のお仕事発見! No.39 10/27 投稿紹介:黒子通訳者
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□━2004/10/27 第0039号━━━━━━━━━━━━━━━━━━読者数13140部━□

◇◇通訳/翻訳のお仕事発見!◇◇
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▼「黒子通訳者」平岩大樹(通訳翻訳館)

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■◇「黒子通訳者」
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 毎週日曜日、朝の10時から放送されるテレビ番組がある。サンプロで親しまれる
「サンデープロジェクト」だ。サンプロは、日本の政治や経済の現状についてわかり
やすく解説する人気テレビ番組で、財界や政界の大物、著名な評論家、政治学者、経
済学者などが毎回出演している。

 日曜日の朝といえば、サンプロで目を覚ます。そういう人も多いらしい。サンプロ
を録画しておいて、毎回みるわけじゃないが、だいたいみる。何となくみてしまう癖
が習慣になって10年ちかい。10年ちかくサンプロをみていると、些細な違いにも
目がいく。

 6月20日に放送されたサンプロは「些細な違い」なんてもんじゃなかった。目が
釘付けになった。内心「やったな」と、思った。6月20日のサンプロには、元米国
国防次官補で現ハーバード大ケネディスクール院長のジョセフ・ナイが出演していた

 ジョセフ・ナイのような一流人物を出演させるのがサンプロのいいところだ。当然
、ジョセフ・ナイは日本語がしゃべれない。だから、英日と日英の同時通訳者がつく
。日曜日の人気番組というだけあって、同時通訳者も国内トップレベルの同時通訳者
が登場する。

 まさか、一流の海外ゲストを呼んでおいて、三流の通訳者を使うようなことはしな
い。いっていみれば、一流の原書を三流の翻訳書にするようなことはしないのだ。そ
んなことをやったら、視聴者から苦情の電話が殺到する。サンプロ側も、そのへんの
ことがよくわかっているから、トップレベルの同時通訳者を雇う。

 いままでなら、モニター画面に映し出された海外ゲストと田原総一郎が一対一で議
論していくところだ。画面の右下か右上に、同時通訳者の名前が「ちょろ」と出てく
るだけで議論が進んでいく。

 だが、今回はそうじゃなかった。驚くことに、ガラス張りの同時通訳者ブースがス
タジオに設置されていた。そして、田原総一郎がじゃべるとき、ジョセフ・ナイがし
ゃべるとき、カメラが同時通訳者ブースに注目するという演出までついていた。

 カメラの演出によって視聴者は、同時通訳者の存在を認識せざる得なかった。いま
までのように、テレビ画面の右下か右上に同時通訳者の名前が「ちょろ」と出てくる
だけでは、視聴者は同時通訳者の存在に気づかない。「黒子通訳者」なら、それでい
いかもしれない。だが、同時通訳者は「黒子通訳者」じゃない。

 6月20日のサンプロにはそういうメッセージが込められていた。テレビ番組の視
聴者に対して、世間に対して同時通訳者の存在を認めさせるという、強い使命感を感
じた。そういう使命感が、サンプロを動かし、視聴者に同時通訳者の存在を視覚的に
訴えた。

 通訳者というと、一般の人には馴染みがないように思われている。どこかのエライ
学者さんたち、社長さんたちがお世話になっているのが通訳者だと思われている。け
れど、通訳者は身近なところで活躍している。サンプロの同時通訳者だけじゃない。
NHKのお昼番組「スタジオパーク」でも通訳者は活躍しているし、多くの衛星放送
でも活躍してる。

 身近なテレビ番組で通訳者が活躍しているのに、そろって「黒子通訳者」をやるも
のだから、一般の人は気づかなかった。最近は「通訳」という表示が出て、通訳者の
名前が出るけれど、表示時間が短かすぎる。通訳者の名前を書きとめる時間すらない
。パッと出て、パッと消える。これじゃ、苦情のいいようがないし、お気に入りの通
訳者の名前を覚えることだってできやしない。

 いままで通訳者は「黒子願望」が強すぎた。わざわざ「黒い服」を着て、無理して
「黒子」を演じてきた。「黒子」という考え方は、いろいろある考え方の一つにすぎ
ないのに、多くの通訳者が「黒子神話」を信じてきた。

 「黒子通訳者」は、ホンモノの「黒子」を、目の前でみたことがない。だから、自
分の頭の中で勝手につくりあげた「幻」を「黒子」だと思っている。日本舞踊の舞台
公演などで、黒衣を着て登場するホンモノの「黒子」をみたことがないのに、「黒子
」などいって、借り物の考え方で満足するから「黒子通訳者」になる。

 「黒子」という考え方は、ある優れた通訳者が考え、悩み、苦しんで「黒子」とい
う考え方に行き着いただけだ。尊敬すべき考え方ではあるが、すべての通訳者が「黒
子」という考え方に行き着くわけじゃない。自分で考え、悩み、苦しむことをしない
人は、とうてい一流にはなれない。

 借り物の黒衣は脱ぎ捨てて、自分に合った衣を考え、悩み、苦しみながら創り出せ
ばいいのに、それをしない。百人百様のあり方、考え方があっていいのにそれをしな
い。一流の人間に、借り物の考え方など必要ない。自分で自分の考え方を創り、情熱
と使命をもって生きる人間だけが、一流になる。

(平岩大樹=通訳翻訳館)

[この記事は通訳翻訳館ウェブサイトにも掲載されています]

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