□━2005/06/29 第0073号━━━━━━━━━━━━━━━━━━読者数10129部━□
◇◇通訳/翻訳のお仕事発見!◇◇
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▼「選ばれる翻訳家」平岩大樹(通訳翻訳館)
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■◇「選ばれる翻訳家」
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おもしろい翻訳書が出た。内容うんぬんではなく、商品としておもしろいものが出
た。翻訳書を手にとってみて、真っ先に読むのは「訳者あとがき」。美しく飾った表
玄関からではなく、いつも裏口から入る。
裏口を開けてみると、たいてい原著者がにこやかに笑っていたり、ポーズをつけて
こちらをみつめている。そのおもしろい翻訳書には、いないはずの人間、いないこと
になっていたはずの人間が、目で「何か」を訴えていた。そう、翻訳家という人間が
そこで笑っていたのだ。
ちょうど10年前、1995年出版の翻訳書の裏口を開けてみると、原著者不在、
翻訳家不在、写真なし。裏口からなんぞ「入るんじゃない」といわんばかりだ。手元
にあるノンフィクションの翻訳書をみていくと、1998年頃から原著者の白黒写真
が入るようになり、2002年頃からよくやく翻訳家の名前が入るようになってきて
いる。
翻訳書の裏口開発史を簡単に振り返ってみるとこうなる。10年前、翻訳書の裏口
は白紙&無地。7年前あたりから、原著者が白黒写真で登場。5年前あたりから白黒
からカラー写真にパワーアップ。翻訳家が一番下に入るようになったのは、なんと3
年ほど前から。
写真なし、白黒写真、カラー写真、たいした差じゃないと思っている人がいる。そ
う思う人はためしに、新聞の折込チラシをみてみるといい。どれが一番心を動かされ
るか、買ってみたくなるのはどれかを考えてみれば、その差ははっきりしている。
裏口から入ると、原著者がとびきりの笑顔で迎えてくれる。最近、やっと翻訳家の
名前が入るようになったものの、いまだに原著者の下で「顔なし」の黒子役をおしつ
けられている。
翻訳書の裏口を開けた瞬間、著者の顔が目に飛び込んでくる。その一方で、翻訳家
は「顔なし」の黒子をやっている。おかしい。この商品をつくった出版社は「おかし
い」という感覚をもっていない。こういうところに読者の感覚と出版社の感覚とのズ
レが生まれている。
原著者が、目で「何か」を訴えている。その下の隅っこで、なんで、翻訳家だけ名
前とメモ経歴しか載っていないのか。おかしいではないか。出版人はすかさず、こう
反論してくるだろう「おかしいと思う方がおかしい」のだと。続けて、それが一般的
だとか、常識だとか何とかいってくるに違いない。
翻訳書の裏口をどうつくるか、どう改良するか、どう開発するかは出版社に決定権
がある。要は、翻訳家を「顔なし」にして黒子にしようが、カラー写真にして載せよ
うが、原著者と対等に並べようが、表玄関に刷り込もうが出版社しだいだ。
2005年4月に出た新しいタイプの翻訳書には、翻訳家がちゃんといる。いるべ
きところに原著者と並んでニッコリ笑っている。カラー写真で、日焼けてしている男
だとか、ノーネクタイだとか、うしろに原書が置いてあるなど、一枚の写真のなかに
無数の情報がつまっている。
翻訳書に感動した読者なら、この翻訳家の顔を簡単に忘れない。名前は忘れても、
顔をみればすぐに思い出す。そう、「顔なし」ばかりの翻訳出版市場で、翻訳家の顔
が何よりも信頼の証になる。そしてそれは、読者に選んでもらうための舞台装置とし
て機能しはじめるのである。
(平岩大樹=通訳翻訳館)
◇平岩大樹
1998年10月、「通訳翻訳館」の前身となった非営利求人求職サイト「個人
翻訳通訳館」を立ち上げる。2000年に同サイトを「通訳翻訳館」に名称変更
するとともに「通訳」と「翻訳」に特化した求人求職サイトを始める。2000
年から通訳翻訳館の館長。http://www.ithouse.net
[この記事は通訳翻訳館ウェブサイトにも掲載されています]
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