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通訳翻訳ビジネスレポート No.25 2004/04/13 投稿:黒子から主役へ
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◆━2004/04/13 第0025号━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆

◇◇通訳翻訳ビジネスレポート◇◇
    http://www.ithouse.net/
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◇目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

<投稿記事>
 ◆「黒子から主役へ」平岩大樹(通訳翻訳館)

<書籍紹介>
 ◆『インターネットで日本語はどうなるか』西垣通 ジョナサン・ルイス(著)
 ◆『アメリカへの警告』ジョセフ・S・ナイ(著) 山岡洋一(訳)
 ◆『伊藤雅俊の商いのこころ』伊藤雅俊(著)
 ◆『急がない!ひとりの時間を持ちなさい』デイヴィッド・クンツ(著) 畔上司(訳)

<編集後記>
 ◆「小さな鳥居」平岩大樹(通訳翻訳館)

<投稿募集>
 ◆「あなたからの投稿を掲載します」


<= 投稿記事 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

■■………………………………………………………………………………………………
■◇「黒子から主役へ」
■■………………………………………………………………………………………………

 第一線の通訳者、翻訳者が書いた本を読んでいると何度も出てくる言葉がある。「
黒子」だ。まるで「黒子」、「黒子」、「黒子」と自己暗示をかけているようだ。そ
のせいか、彼らは人としても「黒子」になってしまった。通訳、翻訳という職務では
「黒子」であっても、人として「黒子」なる必要はどこにもない。

 スクール関連産業は「黒子」になってしまった第一線の通訳者、翻訳者の態度、姿
勢につけこんで「幻想」をばらまいている。「ハッタリ」や「ごまかし」が蔓延し、
世間に対して発言していかなければならない人間が何も語らない。

 「黒子」であることはもう許されない。表舞台に立ち、責任ある発言をしていかな
ければならない。「憧れ」、「デビュー」などというキャッチコピーが氾濫している
のはなぜか。それは第一線の通訳者、翻訳者が「黒子」になって穴蔵に隠れているか
らだ。注意散漫になった人は「幻想」と「テクニック」に溺れ、ドロ舟にのって大航
海に挑戦しようとする。そういう人に警告しなければならない。

 「黒子」の時代は終わった。自分の名前が一番の資産になる。自分の名前で堂々と
仕事ができる。自分の名前に磨きをかけ、人々に感動と喜び、安心と信頼を与える時
代になったのである。

 「黒子」を卒業して、「主役」になればいい。そして「主役」にふさわしい報酬を
要求すればいい。一流の名にふさわしい報酬が得られないのは他人や会社、世間や時
代のせいじゃない。自分の名前に磨きをかけ、社会に認めさせようとする気概が足り
ないからだ。

 「黒子」という地位に甘んじていて、何もしようとしない。いくらいい仕事をして
も「黒子」じゃ、だれも気づかない。いつかは「気づいてくれるはずだ」などと思っ
ていても気づいてくれない。
 
 マスコミで、テレビで、ラジオで、インターネットで、責任ある発言をしていかな
ければならない。機会をつくり、機会をみつけ、積極的に発言していかなければなら
ない。「ハッタリ」や「ごまかし」を叩き、スクール関連産業がばらまく「幻想」や
「憧れ」をつぶして、「創造」と「尊敬」に変えていかなければならないときだ。何
をしなければならないのか、よくわかっているはずだ。

 江戸の大通詞、明治の大翻訳家は誰よりも情熱と使命をもって、「日本をつくる」
という気概をもっていた。第一線で活躍する通訳者、翻訳者は知っているはずだ。江
戸の大通詞、明治の大翻訳家が、現代日本をつくりあげたことを。

 「黒子」の時代は終わった。「主役」になりたいと思う人だけが「主役」になる。
配役は他人や会社、世間や時代が決めるものじゃない。自分自身で決めるものだ。「
主役」になる気概のない人は、「黒子」のまま一生を終えることになるだろう。

 「地位が低い」とか、「報酬が少ない」とかいって騒いでいる人がいる。こういう
人は死ぬまで「黒子」だろう。「地位が低い」、「報酬が少ない」のは他人や会社、
世間や時代のせいじゃない。自分に与えられた使命を忘れ、自分の名前を磨こうとも
せず、世間に自分を認めさせようともしない。

 大企業、大学、スクール関連産業にぶら下がっているだけで、リスクに挑戦しよう
としない人は、まもなく舞台から追い出されることになる。追い出されるほうがいい
のか、それとも自分から降りたほうがいいのか、選択の時はすでにきている。

(平岩大樹=通訳翻訳館)


[この記事は通訳翻訳館ウェブサイトにも掲載されています]

 ◇掲載記事
  http://www.ithouse.net/japanese/column/doc/20040413.htm

 ◇いままでの記事一覧
  http://www.ithouse.net/japanese/column/box.htm


<= 書籍紹介 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

■■………………………………………………………………………………………………
■◇『インターネットで日本語はどうなるか』
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【著者】西垣 通 ジョナサン・ルイス
【出版社】岩波書店
【発刊年月】2001年3月26日
【本体価格】2100円 (税込)
【ページ数】250p
【ISBN】4000221078
【購入】http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4000221078/ithouse-22

──────────────────────────────────────
大切なのは、地球上の多様な言葉の美を受け入れること、それらの言葉と母語が交錯
し響きかわす地平に進んで身をおくことなのである。そういう精神的作業を引き受け
ないかぎり二十一世紀のインターネット時代に、日本語や日本文化に興味をもつ地球
人は少数にどどまるだろう。
                           本文164pより抜粋
──────────────────────────────────────

 著者である西垣氏は情報学を専門とする工学博士で大学教授。共著者のルイス氏は
学生時代にドイツ、日本で英会話講師として働いていた経歴を持っており、イギリス
の政治学者で大学助教授。

 本書はインターネットを情報収集ツール、コミュニケーションツールとして活用す
る際に問題となる言語の壁について取り上げ、英語による独占的言語環境から日本語
を含む多言語環境がどのようにして整備されてきたのか、ユニコードの誕生とその仕
組みを解説している。

 第5章「翻訳とコンピュータ」ではIT革命による急激な情報処理技術の発展が機
械翻訳にあたえる影響を分析しその歴史を振り返りながら、機械翻訳の可能性につい
て言及している。

 ◇そのほかのオススメ選書をみる
   http://www.ithouse.net/japanese/bookshop.htm


■■………………………………………………………………………………………………
■◇『アメリカへの警告』
■■………………………………………………………………………………………………

【著者】ジョセフ・S・ナイ
【翻訳】山岡 洋一
【出版社】日本経済新聞社
【発刊年月】2002年09月12日
【本体価格】2625円 (税込)
【ページ数】317p
【ISBN】4532350085
【購入】http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532350085/ithouse-22

──────────────────────────────────────
情報革命の最大の特徴は、金持ちや権力者にとっての通信速度が向上したことではな
い。百三十年以上前から、ヨーロッパと北アメリカの間で事実上即時の通信が可能に
なっていた。決定的な点は情報伝送のコストが極端に低下したことだ。実際上、情報
伝送にかかる直接のコストは無視できるほどになり、世界全体に伝送できる情報の量
は、事実上無限になった。
                           本文84pより抜粋
──────────────────────────────────────

 本書は情報革命で増幅したグローバル化にアメリカ自身がどう対応すべきか分析し
たもの。急速に進むグローバル化によって、アメリカが行使できる国際影響力は低下す
ると著者はいう。

 情報ネットワークが世界規模に発達し、インターネットメディアを通じて流通する
膨大な量の情報をどう扱い、どう管理するのか。みせかけの強さのなかに抱えるアメ
リカの危機を外交政策、メディア政策、言語政策にわたって指摘していく。

 軍事力や経済力といった「ハード・パワー」だけでなく、文化や制度の魅力といっ
た「ソフト・パワー」をどう活用して侵略するのか、その戦略も詳しく解説している
。強大な国際影響力をどうやって保ち、どのようにして国益を追求するのか、アメリ
カが打つべき新政策を提示している。

 ◇そのほかのオススメ選書をみる
   http://www.ithouse.net/japanese/bookshop.htm


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■◇『伊藤雅俊の商いのこころ』
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【著者】伊藤 雅俊
【出版社】日本経済新聞社
【発刊年月】2003年12月17日
【本体価格】1470円 (税込)
【ページ数】266p
【ISBN】4532311128
【購入】http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532311128/ithouse-22

──────────────────────────────────────
商売が軌道に乗ってくると、お客様が来てくださるのが当たり前と思うようになって
感謝の気持ちや謙虚さが薄れ、自分の力で成功をつかんだのだという驕りが生まれま
す。これは大多数の商人がほぼ例外なく陥るごく普通のことであり、苦しい思いをし
たほど、抑えがきかなる例をたくさん見てきました。それが人間の弱さなのです。
                           本文251pより抜粋
──────────────────────────────────────

 著者はイトーヨーカ堂の創業者。二坪の洋品店からスタートし、現在のイトーヨー
カ堂グループをつくりあげた名経営者である。商売で一番大切なものは信用であり、
カネやモノではなく人間としての誠実さであり、真面目さであり、真摯な姿勢である
と著者はいう。

 信用は、堅実な商売の繰り返しで生まれるのであり、けっして一夜にしてできるも
のではない。飽きずに繰り返し、こつこつと積み上げることで信用となる。信用を積
み重ねていけば、へつらったり、卑屈にならずに一人の人間として堂々と生きていけ
るのだと。

 日本人は豊かになったことで、甘えの心がしみつき、食べられることのありがたさ
、自分たちの贅沢さに気づいていないと指摘する。グローバル経済と大競争時代に直
面した日本は、歴史の目で自分たちの生活を見つめ直し、歴史の目で未来を見つめな
ければならないと語っている。

 ◇そのほかのオススメ選書をみる
   http://www.ithouse.net/japanese/bookshop.htm


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■◇『急がない!ひとりの時間を持ちなさい』
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【著者】デイヴィッド・クンツ
【翻訳】畔上 司
【出版社】主婦の友社
【発刊年月】1999年05月20日
【本体価格】1680円 (税込)
【ページ数】286p
【ISBN】4072257621
【購入】http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4072257621/ithouse-22

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「目標」とは、あたなにしかなれない何かになることだ。そしてそれは、あなたにと
っていちばん重要なことである。目標が見つかれば使命感を抱くようになり、使命感
を抱くようになれば、仕事はうまくいく。「立ち止まって」みれば、自分の目標を発
見するのが容易になる。自分の天職が見つかるようになり、自分の使命を果せるよう
になる。
                           本文180pより抜粋
──────────────────────────────────────

 著者はカトリックの神父を17年間つとめたあと、心理療法によるストレス管理、
精神衛生などを行なうカウンセラーに転身した人。本書は、自分の人生にとって何が
大切なものなのかを思い出し、使命をもって生きるためにはどうすればいいのかを説
いたものである。

 宗教的な説教はなく、ただ「立ち止まって」考えてみなさいと著者はいう。日々の
生活のなかにちょっとした「静止」、「休止」をとりいれることで、心底から何を願
っているのか、本心からやりたいことは何なのかがわかるようになると助言している


 ただ、何もしない時間を意識的につくりだすだけでいいのだという。自分本来の姿
に気づき、自分がどこから来て、どこへ行こうとしていたのか、本当はどこへ行きた
いのか。それがわかるようになるものだと綴っている。立ち止まることへの不安、立
ち止まったときの恐怖にどう対処し、どうやって克服すればいいのかも綴られている

 
 ◇そのほかのオススメ選書をみる
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<= 編集後記 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

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■◇「小さな鳥居」
■■………………………………………………………………………………………………

 石神井氷川神社には小さな鳥居が3つある。160センチか、165センチくらい
の高さの小さな鳥居だ。木製、石製、鉄製の鳥居があり、高さはだいたい同じくらい
だ。

 神社に二本柱の小さな鳥居がある。どこもおかしくない。何の疑問も感じない。だ
が、なぜあの大きさで、あの高さなのか考えてみると、そこに日本の文化、日本人の
心が隠されているような気がしてならない。

 この3つの小さな鳥居は、一人ずつしか通り抜けられない。高さも低いので「頭を
さげて」くぐることになる。背丈がなくても頭上に、ある種の「緊張感」を感じさせ
る。

 「頭をさげる」という行為は、日本人にとって特別でもなんでもない。この3つの
小さな鳥居は、鳥居をくぐる人々に何ともいえない「緊張感」を与え、人々の潜在意
識に大きな影響を与えてきたのではないだろうか。木製の鳥居をくぐったとき、そう
感じた。

(平岩大樹=通訳翻訳館)


[編集後記は「館長室だより」として通訳翻訳館ウェブサイトに掲載しています]

 ◇編集後記(館長室だより)
  http://www.ithouse.net/japanese/tayori/20040413.htm

 ◇いままでの編集後記一覧(館長室)
  http://www.ithouse.net/japanese/director.htm


<= 投稿募集 =>――――――――――――――――――――――――――――――

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■◇「あなたからの投稿を掲載します」
■■………………………………………………………………………………………………

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取り上げ多くの方々と情報共有するべく投稿原稿を幅広く取り上げております。応募
の資格は「通訳翻訳ビジネスレポート」の読者であればどなたでも応募いただけます


 原稿内にはご自身のホームページの表記も認めますが、表記によるトラブルについ
ての責任は一切負いかねますのでご了承ください。なお、応募原稿全てを掲載したい
ところですが編集部が掲載を判断したものに限らせていただきます。

 原稿は下記の体裁でお送りください。掲載の成否は1週間以内に必ずご連絡いたし
ます。採用させていただいた原稿は通訳翻訳館ウェブサイト「投稿コラム」に掲載し
「通訳翻訳ビジネスレポート」メールマガジンにも掲載させていただきます。なお将
来的に「投稿コラム」は出版物として出版する可能性もありますのであらかじめご了
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