◆━2004/10/14 第0040号━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
◇◇通訳翻訳ビジネスレポート◇◇
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◇目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<投稿記事>
◆「本気で怒る人」平岩大樹(通訳翻訳館)
<書籍紹介>
◆『黄沙が舞う日』寺田ふさ子(著)
◆『ソフト・パワー』ジョセフ・S・ナイ(著)
山岡洋一(訳)
◆『経営の行動指針』土光敏夫(著)
◆『素直な心になるために』松下幸之助(著)
<編集後記>
◆「飛行機雲の先に」平岩大樹(通訳翻訳館)
<投稿募集>
◆「あなたからの投稿を掲載します」
<= 投稿記事 =>―――――――――――――――――――――――――――――――
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■◇「本気で怒る人」
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足りないのは、ホンモノの怒りだ。「腹が立つ」、「むかつく」、「ふざけるな」
などといくら言ってみても、それはホンモノの怒りじゃない。そんなものは「怒って
いるポーズ」にすぎない。ホンモノの怒りは「行動」だ。
わけのわからない日本語を使うインチキ翻訳者の三流翻訳書は買わない。傲慢な会
社とは取引しない。難解な言葉をつかって劣等感を叩き込もうとするニセ学者は無視
する。ホンモノの怒りは、すべて「行動」だ。
個人的な感情で怒るのもいいが、本気で怒れ。職業人生をかけて、本気で怒ってい
る人ほど信用できる人間はいない。人間が本気で怒ると、その人間の本性が現われる
。ホンモノの怒りのなかには雑音も含まれるが、問題の真相も含まれる。
ハッタリ、ごまかし、テクニックに溺れている人間が本気で怒れば、ハッタリ、ご
まかし、テクニックがバレる。だからハッタリ、ごまかし、テクニックに溺れている
人間は、本気で怒るのが怖い。世間体や他人の目が気になって本気で怒れない。だか
ら、本気で怒ることができる人間は、なかなかいない。
ハッタリ、ごまかし、テクニックに溺れている人間は、そろって「わきあいあい」
とすることが得意だ。甘い言葉をつかって、持ち上げるだけ持ち上げておく。けっし
て怒らない。本気で怒ることができないだけに、陰険なイジメや人間虐待を平気でや
る。やる方も、やられる方も気の毒としかいいようがない。
ハッタリ、ごまかし、テクニックを駆使すれば、いくらでもカッコのいいことは言
える。中途半端に怒ったり、テクニックに溺れて怒れば、必ず仕返しされる。中途半
端に怒る者は、その中途半端な姿勢と態度を見抜かれ、人望を失う。
ホンモノの怒りは「摩擦」を生み出す。「わきあいあい」とすることが好きな人た
ちは「摩擦」を極度に恐れる。しかしながら、「摩擦」をなくした組織、社会、文明
は衰退し崩壊する運命にある。組織の活力、社会の活力、文明の活力を生み出す源泉
は「摩擦」であり、人間の感情だ。
私的利害を超越しなければ、本気で怒ることなどできない。取引先、世間体、他人
の目など気にしていたら、本気で怒ることなどできやしない。本気で怒る人間は、真
剣勝負をやっている。ホンモノの怒りは、人の目を引きつけ、魅了する。
ホンモノの怒りは「摩擦」を生み出す。ホンモノの怒りを持った人間同士が真正面
から怒りをぶつけあえば、火花が散る。怒りをぶつけ、論理を使って怒りをぶつけ続
ければ「不満」というガス燃料に火がつく。
それこそ「不満」というガス燃料は社会に充満している。ホンモノの怒りで「摩擦
」を生み出し、ホンモノの怒りをぶつけあうだけの勇気と覚悟を持った人間が「不満
」というガス燃料に火をつける。火に油を注いで大きくしたいと思う人間は腐るほど
いる。だが、ホンモノの怒りで「摩擦」を引き起こそうとする気概のある人間は、め
ったにいない。
(平岩大樹=通訳翻訳館)
[この記事は通訳翻訳館ウェブサイトにも掲載されています]
◇掲載記事
http://www.ithouse.net/japanese/column/doc/20041014.htm
◇いままでの記事一覧
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<= 書籍紹介 =>―――――――――――――――――――――――――――――――
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■◇『黄沙が舞う日―満州残留婦人、異国の五十年』
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【著者】寺田 ふさ子
【出版社】河出書房新社
【発刊年月】2002年03月30日
【本体価格】1680円 (税込)
【ページ数】201p
【ISBN】4309014577
【購入】http://www.ithouse.net/japanese/ac/bk_4309014577.htm
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自分は中国人に助けられたのだと気づいた。やさしそうな女の人に支えられ、志乃は
コーリャンのおかゆをすすった。食べ物を口に入れるのは何日ぶりだろう。涙がぽろ
ぽろこぼれた。温かいコーリャンのおかゆは、餓えた胃袋にとけこんでいった。人の
情けが、まして中国人であれば、せつなく身にしみた。
本文37pより抜粋
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本書は日中戦争から太平洋戦争に突入していく時期に満州開拓民として中国に渡っ
た日本人女性の半生を綴ったものである。日本政府の戦時経済体制のもと、食糧増産
の国策として進められた満州の開拓事情も知ることができる。
開拓地での苦労に耐えながらも、開拓地で過した短い結婚生活と勤労奉仕の日々。
日本を信じ、愛国心にもえて開拓に打ち込むが、戦争によって無惨に引き裂かれた家
族。日本敗戦による混乱と憎悪の中、自決していった仲間の開拓民たち。
瀕死の状態で助けられ、生き残ったものの忘れられた自分。言葉や文化の違いを乗
り越え、僻村の極貧生活に耐えた30年。人間同士のふれあいと愛情を育みながら夢
みた日本への帰国。忘れてはならない「戦争」の真実が綴られている。
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■◇『ソフト・パワー 国際政治の方程式を解く』
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【著者】ジョセフ・S・ナイ
【翻訳】山岡 洋一
【出版社】日本経済新聞社
【発刊年月】2004年09月13日
【本体価格】2100円 (税込)
【ページ数】269p
【ISBN】4532164753
【購入】http://www.ithouse.net/japanese/ac/bk_4532164753.htm
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情報は力であり、情報技術の革命によって、歴史上にかつてなかったほど幅広く情報
が伝えられるようになった。ただ政治指導者は力の性格がどのように変わったのかを
あまり考えていない。もっと具体的にいうなら、力を行使する際の戦略に、ソフト・
パワーの側面をどのように組み入れるのかを十分に考えていない。
本文20pより抜粋
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本書は「ソフト・パワー」とは何であり、その源泉がどこにあって、どのように活
用されてきたのかを探ったものである。アメリカ議会内の思想対立から起こる混乱、
ブッシュ政権の外交政策と外交スタイルがアメリカの「ソフト・パワー」にどのよう
な影響を与えているのかを分析している。
著者は「ハード・パワー」と「ソフト・パワー」のバランスが大切であり、その調
整が重要であるという。アメリカ外交の「傲慢さ」は、政治指導者にその認識が薄れ
たことによるバランス感覚の欠如にあるのだと。
世界大戦、冷戦、ソ連崩壊をへてアメリカは「ソフト・パワー」をどのように扱っ
てきたのか。戦時の広報外交・宣伝活動から情報革命とグローバル化に対応するには
どうすればいいのか、ネット時代の「ソフト・パワー」はどこで生まれ、どう活用す
べきなのかを語っている。
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■◇『経営の行動指針―土光語録』
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【著者】土光 敏夫
【出版社】産能大学出版部
【発刊年月】1970年02月01日
【本体価格】1680円 (税込)
【ページ数】201p
【ISBN】4382053374
【購入】http://www.ithouse.net/japanese/ac/bk_4382053374.htm
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仕事に困難や失敗はつきものだ。そのようなとき、困難に敢然と挑戦し失敗に屈せず
再起させるものが、執念である。そればかりではない。およそ独創的な仕事といえる
ものも、執念の産物であることが多い。
本文69pより抜粋
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本書は戦後混乱期から復興期に経営手腕を発揮した名経営者、土光敏夫が自らの経
営哲学を綴ったもの。仕事に困難や失敗はつきものであり、困難に敢然と挑戦し、失
敗に屈せず執念をもってやりぬけと土光はいう。
高い目標を掲げ、なにがなんでもやりぬく強烈な意思をもって、困難な状況を乗り
越こえたとき、真の人間形成が行なわれるともいう。ビジョンと目標を立てるだけで
なく、そのビジョンと目標を自己研鑽の指針とすれば、人間の真の力が動きだすのだ
と。
できない理由をあげつらうのではなく、どうすれば解決できるか、どうやったら達
成できるかを考え、困難を積極的に受け入れ、困難に敢然と挑戦し、執念と努力で克
服する姿勢を養っていくことが自信につながるのだと書き残している。
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■◇『素直な心になるために』
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【著者】松下 幸之助
【出版社】PHP研究所
【発刊年月】1976年09月01日
【本体価格】1124円 (税込)
【ページ数】210p
【ISBN】4569511740
【購入】http://www.ithouse.net/japanese/ac/bk_4569511740.htm
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新しいものを創造していくということは、そう簡単なことではないでしょう。やはり
、現状を固定したものと考えるのではなく、日に新たに変化していくものととらえる
というような柔軟な心から、新たな創造が生まれてくるのではないかと思います。そ
してそういう柔軟な心はどこから出てくるかというと、それはやはり素直な心になる
ところから養われてくるのではないかと思うのです。
本文81pより抜粋
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本書は松下電気産業の創業者、松下幸之助が書き残した「素直な心になるため」の
手引き書。素直な心になれば、広い視野がひらけ、あらゆる角度から物事を見ること
ができるようになると幸之助はいう。
素直な心を養っていけば、あらゆる主義思想の長所、真理を見抜き、物事の実相、
物の道理もみえるようになると説く。素直な心が働いていないと、自分の感情や利害
、考え方や価値観にとらわれ、最後には自分自身の信用を傷つけることになるだろう
と。
何事も志をしっかり持ち、困難に直面しても志を失わず、素直な心で考えていけば
、そこによい知恵が集まってくるという。私心にとらわれることなく、なすべきこと
は断固として行なっていけば、必ずよき道がひらけてくると書き残している。
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<= 編集後記 =>―――――――――――――――――――――――――――――――
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■◇「飛行機雲の先に」
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木々の葉は、まだ緑色で落葉していない。足元の草花たちは、もう秋が深まってき
たことを教えてくれる。虫の音はとっくに聞こえなくなり、キンモクセイの香りは台
風でどこかに消えた。
オレンジ色したキンモクセイの花は、台風で吹き飛ばされ、地面をオレンジ色に変
えている。台風がいってしまえば、晴天と残暑。さしぶりに空を見上げると、ジャン
ボ機の飛行機雲をみつけた。
練馬の上空はジャンボ機の航路になっており、飛行機雲がよくできる。自衛隊の基
地が近くにあるので、戦闘機や輸送機も低空飛行で飛んでくる。このところ、飛行機
雲がよくできることもあり、ジャンボ機が西の空へ飛んでいくのが見れる。
飛行機雲ができる先っぽの小さな物体がジャンボ機だ。その小さな豆粒の中に何百
人もの乗客がいるのだろう。どこへ行くのかは知らない。ただ、小さな豆粒がいま自
分の頭上を通過していくという事実に、なんともいえない感情がわきあがった。
(平岩大樹=通訳翻訳館)
[編集後記は「館長室だより」として通訳翻訳館ウェブサイトに掲載しています]
◇編集後記(館長室だより:「飛行機雲」をデジカメで撮影しました)
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◇いままでの編集後記一覧(館長室)
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■◇「あなたからの投稿を掲載します」
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取り上げ多くの方々と情報共有するべく投稿原稿を幅広く取り上げております。応募
の資格は「通訳翻訳ビジネスレポート」の読者であればどなたでも応募いただけます
。
原稿内にはご自身のホームページの表記も認めますが、表記によるトラブルについ
ての責任は一切負いかねますのでご了承ください。なお、応募原稿全てを掲載したい
ところですが編集部が掲載を判断したものに限らせていただきます。
原稿は下記の体裁でお送りください。掲載の成否は1週間以内に必ずご連絡いたし
ます。採用させていただいた原稿は通訳翻訳館ウェブサイト「投稿コラム」に掲載し
「通訳翻訳ビジネスレポート」メールマガジンにも掲載させていただきます。なお将
来的に「投稿コラム」は出版物として出版する可能性もありますのであらかじめご了
承ください。
応募原稿体裁―「通訳」または「翻訳」をキーワードに政治・経済・文化などにつ
いてのあなたご自身のご意見を1行全角38字詰め、総字数1000字〜2000字(見出しを
含む)にまとめ、下記アドレスへお送りください。メールアドレスのみの匿名による
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ご希望の方は記入ください。
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