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通訳翻訳ビジネスレポート No.41 2004/10/29 投稿:安売りモード
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◆━2004/10/29 第0041号━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆

◇◇通訳翻訳ビジネスレポート◇◇
    http://www.ithouse.net/
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◇目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

<投稿記事>
 ◆「安売りモード」平岩大樹(通訳翻訳館)

<書籍紹介>
 ◆『指導者の条件』松下幸之助(著)
 ◆『商いの道』伊藤雅俊(著)

<編集後記>
 ◆「祭りの茶」平岩大樹(通訳翻訳館)

<投稿募集>
 ◆「あなたからの投稿を掲載します」


<= 投稿記事 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

■■………………………………………………………………………………………………
■◇「安売りモード」
■■………………………………………………………………………………………………

 最近、中古車販売店が消えていることに気がついた。残っているのは、大手自動車
メーカーの正規中古車販売店か、スポーツカーなどの特定車種に特化した専門店だけ
になっている。だいたい10年くらいかかって、適正量に落ち着いたようだ。

 中古車販売店は一気に消えたわけじゃない、1軒ずつ駐車場になり、大型マンショ
ンになり、ヤマダ電気に変わっていった。環状8号線は、都心の幹線道路であること
もあり、中古車販売店がひしめく激戦区である。いまでは、回転寿司のチェーン店や
ユニクロなどに変わって、どこまでいっても「中古車だらけ」という風景はなくなっ
ている。

 ひと昔まえまで、いたるところに中古車販売店があり、すさまじい価格競争をやっ
ていたのがなつかしい。結局、大手自動車メーカーの正規中古車販売店か、スポーツ
カーや外車などに特化して「強み」を磨きあげたところしか残らなかった。

 消えていった中古車販売店の多くは、価格競争にとらわれ、大事な流れが見えてい
なかった。「高品質、低価格」もいいが、それをやって生き残れるのは大企業だけだ
という現実を。こんなことも知らない素人が「商売」をやろうというのだから、どう
なるかは簡単だ。

 副業感覚、サラリーマン根性で「商売」をやってもうまくいかない。たとえ、まぐ
れで儲けたとしても、それは長続きしない。なぜなら、「商売」というものは「終わ
りなき競争」だからだ。

 それを知らず、趣味感覚で「商売」をやろうとする人間がいる。無責任な人間たち
がばらまいた「儲かる、稼げる」という甘い言葉にのせられ、その気になってしまっ
た人たちだ。

 消えていった中古車販売店のオヤジさんたちも同じだ。無責任な人間がばらまいた
「儲かる、稼げる」という甘い言葉にのせられ、その気になってしまった。「儲かる
、稼げる」という幻想にとりつかれた新規参入者が増えれば、その勢いで過当競争に
なる。

 「ヤツが下げたから、ウチも」という連鎖反応が起こり、根拠のない「高品質、低
価格」の大合唱がはじまる。「儲かる、稼げる」という幻を追いかけ、幻にとりつか
れているから、心労や疲労がたまって病気なり、命にかかわる病魔に襲われて逝って
しまう。

 中古車販売店としては後発だったが、いまでも残っている店がある。店の立地は環
状8号線から外れており、「こんなところに」と思えるところにある。この店は、ホ
ンダの「NSX」しか扱わない。常時15台以上を展示し、メンテナンスや独自改造
にも対応できる。

 ホンダの正規中古車販売店でさえ、これだけやれるところはない。台数を何とかそ
ろえているところでも、独自改造車やレース改造車への対応は全くの「お手上げ」で
ある。

 「NSX」は世界初のフルアルミボディー、チタン合金をエンジンにつかった本物
のマシンだ。「NSX」のオーナーたちは、ただの車好きじゃない。真っ赤なフェラ
ーリーや原色ポルシェを乗りまわして喜んでいる人間とも違う。

 「NSX」を新車で買うことができる人間は、フェラーリーやポルシェも買うこと
ができる。「NSX」を新車で買うオーナーは、独自の改造を施したり、自分のマシ
ンをつくりあげていくことに夢中になる。たとえ、手放すことになっても適当な店に
売るはずがない。

 だから、価値がわかり、情熱を持ってやっている店にしか質のいい「NSX」は集
まらない。しかも「NSX」は中古車であっても、値段はセダンの新車が買えるほど
高い。この店は「高品質、低価格」などと言わなくてもいいのである。なぜなら「高
品質、低価格」などと叫んでいるものは「NSX」ではなく、「廃車にすべきモノ」
だと分かっているからだ。

(平岩大樹=通訳翻訳館)


[この記事は通訳翻訳館ウェブサイトにも掲載されています]

 ◇掲載記事
  http://www.ithouse.net/japanese/column/doc/20041029.htm

 ◇いままでの記事一覧
  http://www.ithouse.net/japanese/column/box.htm


<= 書籍紹介 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

■■………………………………………………………………………………………………
■◇『指導者の条件―人心の妙味に思う』
■■………………………………………………………………………………………………

【著者】松下 幸之助
【出版社】PHP研究所
【発刊年月】1975年12月01日
【本体価格】1124円 (税込)
【ページ数】230p
【ISBN】4569509746
【購入】http://www.ithouse.net/japanese/ac/bk_4569509746.htm

──────────────────────────────────────
何事をなすにあたっても自主独立の心を持たず、他をあてにし、他に依存していたの
では真の成功はおぼつかないだろう。個人はもちろん、一個の会社でも、他の金をあ
てにし、他の技術をあてにしてみずからたのむところが少ないようでは堅実な発展は
あり得ない。
                           本文157pより抜粋
──────────────────────────────────────

 本書は古今のすぐれた指導者のあり方、言行について調べ上げたものに松下幸之助
が自分の考え方を書き加えたものである。日本と中国を中心に102の事例を取り上
げ、人を指導する人間に必要とされる条件を明らかにしている。

 102の事例として登場するのは聖徳太子、孔子、勝海舟、アデナウアーなどすべ
て一流人物である。経営者や指導者はもちろんのこと、一流の人物から学び、自分な
りに考え、生かし、成長したいと思えば「一流の条件」として読むこともできる。

 指導者となり、新たな時代をつくり指導する立場になる人間に求められる一番の要
諦は、何よりも「熱意」であると幸之助はいう。歴史に名を残した先人たちの偉業を
取り上げるため、すべての条件を完璧にこなすことなど不可能だが、真の指導者には
すべての条件が要求されることになるだろうと幸之助は書き残している。

 ◇そのほかのオススメ選書をみる
   http://www.ithouse.net/japanese/bookshop.htm


■■………………………………………………………………………………………………
■◇『商いの道―経営の原点を考える』
■■………………………………………………………………………………………………

【著者】伊藤 雅俊
【出版社】PHP研究所
【発刊年月】2001年01月19日
【本体価格】480円 (税込)
【ページ数】217p
【ISBN】4569575056
【購入】http://www.ithouse.net/japanese/ac/bk_4569575056.htm

──────────────────────────────────────
社会が平和で落ちついている時、まだ皆が浮かれている時、その時こそ、来るべき次
の波を覚悟して真摯に生きることが大切ではないかと思うのです。好況の中にすでに
不況の芽が芽生えているように、平和な時にすでに戦争の火種がくすぶっているよう
に、すべて当たり前が続くことはないのです。その怖さを肝に銘じなければいけない
と考えるのです。
                           本文32pより抜粋
──────────────────────────────────────

 著者はイトーヨーカ堂の創業者。二坪の洋品店からスタートし、現在のイトーヨー
カ堂グループをつくりあげた経営者である。本書は、商人として生きるとはどういう
ことを意味し、何に気をつけなければならないのか。「商人道」を紐解きながら「商
い」の本質を探っていく。

 「商い」という行為には、人を愛すること、物をつくりあげることと同じ感動があ
るのだと著者はいう。顧客に信頼され、支持されるだけでなく、安心感と満足感を味
わってもらうこと、心から感謝し感謝されること。「商い」の基本は人間としての基
本であり、その当たり前の実践でしかないのだと。

 懸命に努力して掴み取った成功でも、決して慢心するなともいう。謙虚に感謝する
心を忘れ、驕り、慢心すれば、苦労して積み上げてきた大切な信用が吹き飛ぶ。時代
は常に動き、社会は変化していくもの、怖れや不安を持ちながらも、挑戦する心を忘
れてはならないのだと語っている。

 ◇そのほかのオススメ選書をみる
   http://www.ithouse.net/japanese/bookshop.htm


<= 編集後記 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

■■………………………………………………………………………………………………
■◇「祭りの茶」
■■………………………………………………………………………………………………

 石神井氷川神社の大祭があった。笛の音、太鼓の音が響きわたり、境内や参道には
じゃがバタ、チョコバナナ、クレープなどといった祭りの出店で賑わっていた。子供
からお年寄りまで、たくさんの人たちが祭りに参加し、それぞれに楽しんでいた。

 献花展や茶席がもうけられ、石神井の総鎮守だけはあると思った。花は雪州流、茶
は表千家看月庵と書いてあった。無料で茶を飲ませてくれるというので、仮設テント
の茶席に上がった。
 
 同席したのはお年寄り、女の子とそのお母さん、若いカップルなどいろいろな人が
茶席にいた。茶を立ててくれたのは茶の先生で、その茶を立てる姿に「礼」というも
のを強く感じた。大祭の儀式でも「礼」というものを強く感じたし、「礼」というも
のが共通して貫かれているのは、面白い発見だった。

 茶は、苦いものかと思い込んでいたが、苦くなかった。それは、本物の茶だった。
茶の先生が立ててくれた茶をいただき、じっくりと日本文化を味わってみると、心の
底からわき上がってくるものがあった。茶の先生は、茶だけを淹れたのではなかった


(平岩大樹=通訳翻訳館)


[編集後記は「館長室だより」として通訳翻訳館ウェブサイトに掲載しています]

 ◇編集後記(館長室だより:「石神井氷川神社の大祭」をデジカメで撮影しました)
  http://www.ithouse.net/japanese/tayori/20041029.htm

 ◇いままでの編集後記一覧(館長室)
  http://www.ithouse.net/japanese/director.htm


<= 投稿募集 =>―――――――――――――――――――――――――――――――

■■………………………………………………………………………………………………
■◇「あなたからの投稿を掲載します」
■■………………………………………………………………………………………………

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取り上げ多くの方々と情報共有するべく投稿原稿を幅広く取り上げております。応募
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 原稿内にはご自身のホームページの表記も認めますが、表記によるトラブルについ
ての責任は一切負いかねますのでご了承ください。なお、応募原稿全てを掲載したい
ところですが編集部が掲載を判断したものに限らせていただきます。

 原稿は下記の体裁でお送りください。掲載の成否は1週間以内に必ずご連絡いたし
ます。採用させていただいた原稿は通訳翻訳館ウェブサイト「投稿コラム」に掲載し
「通訳翻訳ビジネスレポート」メールマガジンにも掲載させていただきます。なお将
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