◆━2004/12/03 第0043号━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
◇◇通訳翻訳ビジネスレポート◇◇
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◇目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<投稿記事>
◆「第二の遺伝子」平岩大樹(通訳翻訳館)
<書籍紹介>
◆『もうひとつの日本は可能だ』内橋克人(著)
◆『台湾の大和魂』林えいだい(著)
<館長室だより>
◆「紅葉と落葉」平岩大樹(通訳翻訳館)
<投稿募集>
◆「あなたからの投稿を掲載します」
<= 投稿記事 =>―――――――――――――――――――――――――――――――
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■◇「第二の遺伝子」
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偽札は法律で厳重に罰せられる。偽ブランド商品も摘発され罰せられる。ところが
、ニセ通訳やニセ翻訳は罰せられるどころか、ますます勢いを増している。いまのと
ころ、この勢いに歯止めをかけようとする企業はないし、団体もない。まして政治家
や役人が出てくることもないので、いくところまでいくしかない。
あるベテラン通訳者は「カオス」といい、またある翻訳家は「逆の方向」と表現し
た。要は「過当競争」であり、「何でもあり」になっているということだ。「過当競
争」が発生するのは、珍しいことでも何でもない。家電、自転車、自動車、中古車で
も「過当競争」は起きた。
だれが生き残り、だれが消えるのか。具体的には、だれにもわからない。とはいえ
、いままでの産業で起こった事実と教訓を調べていけば、みえてくるものがある。そ
れはハッタリ、ごまかし、テクニックに溺れたところは消えるということだ。実に簡
単で、はっきりしている。
自動車メーカがいくつ残ったか、自転車メーカがいくつ残ったか、それを調べれば
「過当競争」のあとにくる「大競争」の輪郭がみえてくる。ホンダ、NEC、日立、
IBM、マイクロソフトなどの動向もあわせながら眺めると、おもしろいことがみえ
る。
流行の「高品質、低価格」の大合唱のなか、「さらなる飛躍」に向けてホンダとI
BMが動いている。この2社は、「何か」を仲良く共同開発している。表向きは、カ
ーナビに搭載する「音声ガイダンスシステム」を開発しているということになってい
る。ところが、ホンダはカーナビのもっと「先」をみている。
NECの通訳ロボットに続き、日立も動き、マイクロソフトも重いケツを持ち上げ
た。もちろん、スーパーコンピューターの「覇権争い」などではないし、新種の「O
S開発」でもない。狙いは「ネットワーク型の何か」である。「機械翻訳」なんかじ
ゃない。すでに「機械翻訳」という言葉では捉えられない「何か」に向かって、巨人
たちが動きだした。
もう「機械翻訳」などといっている時代は終わった。この言葉が生まれ、さかんに
使われた時代は「マイコン」や「ワープロ」の時代だ。いまのネット社会では、使い
ものにならない。あの「何か」が持つであろう意味、理念、理想が新たな世界像をつ
くりあげる原動力になる。それに、世界の巨人たちが気づきはじめた。
おそらく、人類進化にかかわる「何か」であることは確かだ。生物学者のリチャー
ド・ドーキンスは、言語を「第二の遺伝子」といった。この「何か」を支配すれば、
「第二の遺伝子」を解読し、組み換え、新たな価値を創造することが可能になる。
不況だ、不景気だなどと叫んでいるあいだに、日本文明は先人たちが夢見たところ
にいる。中国だ、北朝鮮だなどと騒いでいるあいだに、突きつけられたのは「歴史問
題」だけじゃない。世界中の珍料理や宮廷料理を味わっているあいだに、食ったもの
は「異文化理解」だけじゃない。
日本人と日本文明が、どういう歴史的座標軸に「いま」あるのか。世界、ひいては
人類にどれだけの影響力を持つことができるのか。未来社会をどう築きあげていくの
か。先人たちから、滅びた異文明から、人類の歴史から問われている。その答えが、
あの「何か」の中にある。
(平岩大樹=通訳翻訳館)
[この記事は通訳翻訳館ウェブサイトにも掲載されています]
◇掲載記事
http://www.ithouse.net/japanese/column/doc/20041203.htm
◇いままでの記事一覧
http://www.ithouse.net/japanese/column/box.htm
<= 書籍紹介 =>―――――――――――――――――――――――――――――――
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■◇『もうひとつの日本は可能だ』
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【著者】内橋 克人
【出版社】光文社
【発刊年月】2003年05月25日
【本体価格】1470円 (税込)
【ページ数】241p
【ISBN】4334973973
【購入】http://www.ithouse.net/japanese/ac/bk_4334973973.htm
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政治的スローガンと、やげて到来する現実がいつも違う。夢を与えるスローガンとと
もに採用される政策、その果てに出現する現実によって国民はいつもいつも裏切られ
てきました。現代も過去も変わりません。
本文79pより抜粋
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本書は日本の指導者が引き起こした混迷混乱とアメリカ主導のマネー資本主義との
因果関係を具体的な事例をあげて指摘したものである。単なる政権批判の書ではなく
、戦前戦後一貫して温存され続けた悪癖と悪習がどこにあるのかを掘り下げている。
歴代の首相、政治家、学者、財界人たちが掲げた空虚な絵空事と幻想の数々。アメ
リカ主導のグローバリゼーションに追従し、組み込まれたことで生まれた大量失業と
ホームレス。すべての原因は、いい加減な政治指導者によって行なわれた「政治の結
果」にすぎないのだと。
人間を人間として扱わない社会、価格と効率のみを追求したことで失われた地域社
会の絆。人間として生きること、暮らすことを追いやられた人間。人間として生き、
誇りを持てる社会にするためには、日本人としての「心」を思い出し、「手渡しの文
化」を大切にする商業を復活させ、社会に広げていくことだと語っている。
◇そのほかのオススメ選書をみる
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■◇『台湾の大和魂』
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【著者】林 えいだい
【出版社】東方出版
【発刊年月】2003年08月08日
【本体価格】2940円 (税込)
【ページ数】286p
【ISBN】4885916887
【購入】http://www.ithouse.net/japanese/ac/bk_4885916887.htm
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「捨てられたよ俺達は……。これまではお前達は日本軍人だとおだてられ、国のため
に命をかけて戦ってきたのに、戦争が終わると知らん顔だ。戦後の日本政府の態度と
同じことだ。」
本文98pより抜粋
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本書は日中戦争、太平洋戦争期において日本軍が行なった台湾同化政策、皇民化教
育の実態を探ったものである。敗戦による体制崩壊によって封殺された台湾の「日本
人」たちの悲痛な叫びと悲しみが綴られている。
戦闘要員として日本軍とともに戦い、数多くの犠牲者を出した台湾の高砂義勇隊、
高砂挺身報国隊、特設勤労団、農業義勇団とはどのような部隊だったのか。巧妙な同
化政策を推し進め、台湾の多くの若者を戦争に巻き込んでいった軍司令部と大本営の
態度と姿勢とはどんなものだったのか。
占領地の拡大とともに必要になった通訳要員。陸軍と海軍で行なわれた諜報活動に
組み込まれ、命がけの任務を与えられた台湾からの留学生たち。日本人以上に日本人
的な愛国精神を植えつけられ、捨てられた台湾人たちの怒りとは何か。長きにわたり
隠されてきた「歴史問題」のひとつが明らかにされている。
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<= 館長室だより =>―――――――――――――――――――――――――――――
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■◇「紅葉と落葉」
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石神井氷川神社の神田で育てられていた稲は収穫され、新嘗祭の準備が進められて
いた。春先に植えられた小さな稲たち。少しずつ成長し稲穂が実って刈り取られた。
紅葉も深まり、落葉がはじまっている。ぱらぱら落ちてくる落ち葉をみていると、季
節の移りかわりを実感できる。
すべての葉が落ちて、丸坊主になっている木もある。メタセコイアの葉は茶色から
赤茶色へとゆっくりと色をかえていくところだ。暑くもなく寒くもなかった日々から
、寒さが増してきた。
街路地に植えられている桜。桜の落ち葉をひろって観察してみると黄色の部分、茶
色の部分、赤色の部分がある。何枚かひろってみると、だいたい葉の中心部分が黄色
で、いちばん面積が一番大きく、外側にいくほど茶色が入ってくる。
さっそく持ちかえってじっくりと観察してみると、落ち葉の裏側からいい香りがす
る。和菓子の「どうみょうじ」の香りだ。いつまで香りが残るか、机の上にしばらく
置いておこう。シクラメンの花も咲き、コンビニやコーヒーショップではクリスマス
の飾りつけ、クリスマス商品が並びはじめた。
(平岩大樹=通訳翻訳館)
[館長室だよりは通訳翻訳館ウェブサイトに掲載しています]
◇館長室だより(「メタセコイアの林」をデジカメで撮影しました)
http://www.ithouse.net/japanese/tayori/20041130.htm
◇いままでの館長室だより一覧(館長室)
http://www.ithouse.net/japanese/director.htm
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■◇「あなたからの投稿を掲載します」
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取り上げ多くの方々と情報共有するべく投稿原稿を幅広く取り上げております。応募
の資格は「通訳翻訳ビジネスレポート」の読者であればどなたでも応募いただけます
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ての責任は一切負いかねますのでご了承ください。なお、応募原稿全てを掲載したい
ところですが編集部が掲載を判断したものに限らせていただきます。
原稿は下記の体裁でお送りください。掲載の成否は1週間以内に必ずご連絡いたし
ます。採用させていただいた原稿は通訳翻訳館ウェブサイト「投稿コラム」に掲載し
「通訳翻訳ビジネスレポート」メールマガジンにも掲載させていただきます。なお将
来的に「投稿コラム」は出版物として出版する可能性もありますのであらかじめご了
承ください。
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含む)にまとめ、下記アドレスへお送りください。メールアドレスのみの匿名による
応募も受け付けますが会社名、氏名、メールアドレス、ホームページURLの表記を
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原稿の成否に関するお問い合わせ、及び成否の理由についてのお答えは一切できま
せんのでご承知おきください。お手数ですが、送信メールの件名には必ず「投稿」と
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