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■「すぐに出てくる言葉」-2006/06/26
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今年もスイレンの花が咲いた。今年もアジサイの花が咲いた。別に変わった言葉でも、手のこった表現でも何でもない。
それどころか、イヤなくらいすぐに出てくる言葉だ。今年も「暑い」とか、今年も「何だ」とかいう言葉が。
三宝寺池に出かけていって「今年もスイレンの花が咲いた」、「今年もアジサイの花が咲いた」と心のなかでつぶやいてしまった後、「今年も」といってよくよく観察していない自分に気がついた。
たしかに目に映ってはいるけれど、ちゃんと観ていない。
「今年も」じゃなかったら、どういう言葉を使えばいいのか。「今年は」ならどうか、「今年の」ならどうか。
「今年のスイレン」、「今年のアジサイ」。いやいや、「今年の」なんて言葉自体いらないじゃないか。
たしかに目に映ってはいるけれど、ちゃんと観ていない。
センダンの木の近くにある白い鮮やかなアジサイとか、倒木のちかくに咲いているスイレンならはどうか。
「今年のスイレン」、「今年のアジサイ」なんていうピンボケ用語じゃなくて、一つひとつの生命として観察していくと「今年も」なんていらないことに気づく。
通訳翻訳館 館長
平岩 大樹
プロフィール
1998年10月、通訳翻訳館の前身となった求人求職マッチングサイト「個人翻訳通訳館」ウェブサイトを立ち上げる。2000年に同サイトを通訳翻訳館に名称変更し「通訳」と「翻訳」に特化した求人求職マッチングサイトを開設。現在、通訳翻訳分野における「求人と求職のミスマッチ解消」を使命とし通訳翻訳館を運営している。
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