「通訳のお仕事をいたします」、「翻訳のお仕事をいたします」と自作ホームページに掲載して仕事を得ようとする人は多い。ホームページは使い方しだいで強力な営業ツールにもなるが、そこまで使いこなしている個人はあまりいない。ホームページを開設したもののアクセスがないのというだけで放置されたり、休眠しているホームページが無数にある。
ホームページを営業ツールとして使っている人とそうでない人のページは一目でわかる。ホームページを営業ツールとして使っている人は氏名、住所、連絡先は当然のことながら学歴、職歴、受注実績が掲載してある。ドメインを取ってしっかりしたウェブサイトにしている人や自分の写真画像を掲載しているところもある。それぞれが創意工夫し、試行錯誤しながらホームページに新しい情報を追加している。
ビジネス感覚のある人ならばホームページに氏名、住所、連絡先、学歴、職歴、受注実績を掲載することは常識だろう。自分の持っている能力を買ってくれる人に自分をアピールし、仕事を取るという営業常識をちゃんと持っている。営業ツールとしてホームページを活用している人たちは「あたりまえ」の感覚で実名と個人情報を公開している。たが、そうしていないホームページが驚くほどある。
ホームページ開設者が匿名やハンドルネームを使っていたり、所在地不明というのもある。こういうホームページは無料のホームページスペースでホームページを開設し、メールアドレスも無料メールアドレスを使っている場合が多い。無料のホームページスペースや無料メールアドレスは初心者の練習用スペースでビジネスとして使うものではない。
なぜなら、無料のホームページスペースはドメイン名がやたらと長く、無料メールアドレスはメールの受送信が不安定だからだ。無料のホームページスペースの長いドメイン名は名刺などに刷り込めない。無理に刷り込んだとしてもドメイン入力してくれる人に負担をかけ、イライラさせる。無料メールアドレスは送信したはずのメールが送信されなかったり、受信しようにも受信できなかったりすることが起こる。
こういったことを心得ている発注サイドの企業は無料のホームページスペース、無料メールアドレスを使っている人に発注しない。無料ツールを使っていること自体、その人が「ビジネス」としてやろうとしているのか、そうでないのかの判断基準になるからだ。ハンドルネームや所在地を明かしていないホームページなどは相手にされない。
もしあなたがインターネットを使って何かを買おうとしたとき、売り手のホームページにその会社の所在地、連絡先、責任者名が書いていなかったらどうするだろうか?。会社名、所在地、連絡先、責任者名が書かれていないところでモノやサービスを購入しようとする人はまずいないだろう。それは「あやしい」という印象を与えるだけでなく「信用できない」と思わせてしまうからだ。
ではなぜ、「通訳のお仕事をいたします」、「翻訳のお仕事をいたします」とホームページに掲載しておきながらハンドルネームを使ったり、所在地を明かさないのだろうか?。そのあたりの事情を探ってみると、会社に勤めながら副業としてやろうとする人、趣味目的のホームページを拡張している人などがハンドルネームを使ったり、所在地を明かさないことが多い。
ホームページを営業ツールとして使っている人とそうでない人の差は「ビジネス」として「本気」でやっているのか、やっていないのかの差ともいえる。この経済情勢下で「本気」でやっていないところにお金を払う人はいない。
ホームページは小さなお店と同じで手入れや投資をしなければお客さんは集まらない。ホームページを営業ツールとして使いこなすには、近所のお店やスーパーを観察するといい。あの手この手を使ってお客集めをしている。その作戦のなかに大きなヒントが転がっていることもある。
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