ドイツからの投稿です。手前味噌ではないのですが、今回通訳としてまた添乗員としてうれしい思いをしましたので報告します。ドイツのある都市が日本の都市と姉妹都市関係にあります。昨年からこの都市の依頼で通訳と添乗員と世話係として仕事を頂いていますが、今年は青少年交流の現地通訳として仕事をしました。
空港でのお迎えから観光、訪問、見学、夕食会すべてのお世話と、来られる前の企画にも参加しています。市長挨拶の通訳は、形式どおり事前に下書きを頂きますので適正な単語を下調べしておきます。市長が話す冗談を通訳するのは冷や汗ものですが、両方の方がほぼ同じに笑ってくれ、冗談が的を得ていたときは本当に安心するのでした。
観光バスの運転手さんとその日のコ−スを参加者の状態とあわせて検討。市の担当の方と調整して団長さんと合意の上で運転手に指示。観光が始まります。最初の観光地の説明は10年前のままで、時間の関係で昔は説明していたところを省略していたり、添乗員が説明できなければそのままです。
Neuschwanstein城の説明がそのとおりで、100回近く引率している自分が少しつめた説明をし、その翌日はバイエルン州政府訪問です。近いうちにFussen観光局に意見をしておきます。バイエルン州政府は観光では訪問できません。なかでバイエルンの歴史、政治、経済の説明を受けたものにそのバックグラウンドをつけて通訳しました。
こういう時は参加者の質問で通訳が正しく通訳したかがわかるそうです。州政府の担当の方が後日ある新聞社に私の記事を書くように進めてくれたのはこの通訳と、バイエルン民族衣装の着こなしが正しかった事に関心していたからだと説明してくれました。
通訳は依頼主の側にたってそちらを代表するような心構えで仕事にあたるべきだと感じました。また団員の中に都会育ちの青年がハエを嫌って大袈裟な反応をしていたので、翌日市が企画した農家での見学と食事であまり失礼にならないよう気配りをした方がいいのではないかとのアドバイスも団長経由で出しました。これらも通訳として気配りをした方が良いのではないでしょうか。
美術館見学も内部での説明を通訳するのですが、絵画芸術に関しても事前調査、また今回は何度も行ったことのある美術館で館長さんも知り合いという幸運でした。その後は自然見学で散策ですが、ここでの説明はまたまったく違い、地学、自然学、気候などの知識がないとできません。
飽きはじめている参加者に遊びをかねて説明する現地説明員、その遊びの意図を通訳するのはちょっと大変でした。翌日はバイオリンの町ミッテンバルドです。運転手さんに道を指導しながら、途中にあるドイツ軍ベースはロバが使われていることで有名などと、ちょっと話題をはずしてリラックス。
買い物も裏通りのバイオリン工作工房で、そのマイスターと写真を撮ったり、途中でデジカメの部品が壊れれば、近くのお店にいって交換してもらったり、お別れ会ではレストランとの打ち合わせ、司会、会計と無事全てを終了。ちょっとぐったり、翌日は空港へ。
ルフトハンサのチェクイン担当者に全員がっかり。経験者風の年配の人に「事前に言わなくとも8人ぐらいは団体として一角に集めて席を配分できるでしょ」とクレーム。帰りのバスでは市長婦人、市関係者、青年代表と反省会。日本側との事前の話を伝えたり次回への参考のための意見交換。市長さんへ挨拶をして次の仕事の約束を頂いて家路にもどりました。
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